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泰龍斎宗寛
Tairyusai Soukan

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣 [N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token

泰龍斎宗寛Tairyusai Soukan
  • 作者:泰龍斎宗寛
  • 銘文:鎌倉権五郎平景政後裳嶋田景信十一世孫同氏内匠正澄 江府在勤刻依好古河候刀師阿武隅川宗寛造之 於東都千住様太々土壇裁断 嘉永五年壬子八月日鑑定成瀬候衛士伊賀藤四郎
  • Sign:Tairyusai Soukan A.D.1852
  • 種別:拵付刀 Katana and mounting
  • 寸法:2尺2寸9分半(69.6cm)反り 1.4cm 元幅 3.0cm 先幅 2.3cm
  • 時代:幕末期(181年1883年)ー武蔵国(東京都)
  • 価格:御売約済み Sold Out

江戸時代後期、下総国古河藩の抱え工として活躍した泰龍斎宗寛、古河候注文打の作品。宗寛は、文政初年に奥州白河に生まれ、嘉永年間(1848年)に江戸に出て、当時備前伝の第一人者と言われた固山宗次門に入門、その後深川箱崎町に住し、下総国古河藩の抱え工となり活躍したと伝えられている。彼の作刀は天保の末年頃(1840年)から始まり、その後の作品に「阿武隅川宗寛」と銘する物があって、生まれ故郷の阿武隅川を姓として用いている。彼は明治に入っても作刀しているが、廃刀令以後の作品は見られず、明治16年(1883年)1月23日に歿している。
本作は先の大きく延びた大切先に刃肉を落とした幕末期の典型的な鋭い体配を示し、刃文は師、宗次風の焼き刃に変化を加え、華やかな丁字乱れを焼いた健全な一振りである。宗寛をはじめ宗次一門は、地鉄の美しさ、刃文の華やかさに加え、刀剣の命の切れ味に定評があり新々刀における裁断銘の多さでは群を抜いており、本作にも彼の師、宗次と交流があったとされる成瀬家家臣、伊賀藤四郎の手により最も困難とされる太々を裁断した事が宗寛自身によって切り付けられている。このように新刀期のものが常とする金象嵌ではなく、本人の切り付銘であることは新々刀時代に見られる特色である。
加えるに本作は茎全体を覆う程に丁寧な銘文が切られており、その内容をかみ砕くと、「平安時代後期の猛将、平景政有縁の子孫、嶋田某の工匠、泰龍斎宗寛が江戸に在勤の折、古河藩藩主からの注文により制作する。」となり、大名から制作を注文されるという名誉ある仕事に対し、常にも増して丁寧に自らの出自を述べ、渾身の制作にあたった事が窺える名品である。また彼が嘉永初年頃から下総国古河藩の抱え工となっていたとする伝承を肯定する面で宗寛の研究資料的にも貴重な作品である。
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