新刀

A582 奥大和守平朝臣元平 寛政二二子春
Okuyamatonokami tairano ason Motohira A.D.1792

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣 [N.B.T.H.K] Jyuyo Token No.14

A582 奥大和守平朝臣元平 寛政二二子春Okuyamatonokami tairano ason Motohira A.D.1792
  • 銘文:奥大和守平朝臣元平 寛政二二子春
  • Sign:Okuyamatonokami tairano ason Motohira A.D.1792
  • 種別:白鞘刀 Katana and Shirasaya
  • 寸法:2尺5寸2分(76.3cm)反り1.9cm 元幅3.2cm 先幅2.2cm 元重0.6cm
  • 時代:江戸時代後期ー薩摩国(鹿児島県)
  • 価格:御売約 Sold Out

伯耆守正幸とならび薩摩藩工の双璧を飾る、奥元平の作品。
元平は当時同国の伯耆守正幸と並んで薩摩新々刀の第一人者であり、寛政元年正幸と同時に大和守を受領している。作刀は明和年間より見られ「薩陽士元平」「薩藩臣奥元平」「奥大和守平朝臣元平」等と銘する物が多い。作品は身幅広く、長寸で刃肉の豊かについた豪壮な造り込みに、刃文、互の目乱れにのたれ、尖り刃等を交えて荒沸がつき、金筋・砂流しがかかるなど、相州伝の作柄を得意とする。
本作は同作中でも抜群に澄んだ作域を示した優品で、姿は常の作品に比べて寸が長く、反り強くついて格調高く、刃文、焼幅高く、小沸が厚くついて匂口が抜群に明るく冴え、地鉄、小板目肌が微細によくつまり、地沸厚くつき、地景のよく入った鍛えは精良で潤い澄んだ景色を表している。
通常同国の作品は金筋・砂流しを激しく交えて華やかな体を示す一方、荒沸が目立ち、地鉄に大板目が混じる物が多く見られ、一つの見所ともいえるが、本作は上記の如く、地刃清涼に鍛えられて垢抜けており、非常に格調高く仕上げられた傑作である。
同作の作品でここまで格調高く纏められた作品は慧眼稀であり、同水準の作品をあえて挙げるならば、佐野美術館所蔵の主水正正清などであろうか。本作は重要刀剣指定の同作中、第11回重要刀剣指定の平盛政陣刀に続き二振り目に指定された作品であり、さすがの優品が選ばれたものと感服させられる。

本間薫山著「鑑刀日々抄 続三」所載 熊本県会員 山田桂夫氏の旧蔵品と伝えられている。

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