刀剣界ニュース

日本刀を無形文化遺産に!!

ユネスコから説く日本刀の位置

ユネスコ世界遺産は今年、平泉が文化遺産として、また小笠原諸島が自然遺産として登録されるなど、あらためて注目された。
一方、同じユネスコの無形文化遺産は後発とあって、まだ十分に認知されていない。
それでも「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されたわが国のものは、能楽 ・ 歌舞伎 ・結城紬など、既に十八件に上っている。
その違いはと言うと、前者が主に視認できるハードウェアを対象とするのに対し、後者が芸能や工芸のように概して伝統文化のカテゴリーに入るソフトウェアである点である。
無形文化遺産の考え方の基本に、わが国の「重要無形文化財」およびその保持者の指定・認定制度があると聞くと、宜なるかなと思う。
では、日本刀はどの辺りに位置づけられるのであろう。

日本刀の魅力

二百数十万点の作品は歴史的・文化的価値を持つハードであるが、現状、歴史的建造物などが中心の文化遺産とするのはやや違和感がある。
考えてみれば、日本刀は氷山のように、水面下に歴史・経済・軍事・民俗・技術・科学・芸術・信仰などさまざまなソフトを抱え持っている。これこそが日本刀の神髄であり、単なる武器でも、単なる美術品でもなく、長く大切に伝えられてきた所以であろう。
日本刀は無形文化遺産にふさわしい要件を備えていると思う。その価値が世界に広く認められつつある今、日本刀をぜひ無形文化遺産に!

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