刀剣界ニュース

日本刀をより多くの人へ

刀剣界を切り開く

 日本は不景気と言われる中今後の刀剣業界のさらなる飛躍のために、私たちは今何をすべきか―。二十代の私が語るには大きすぎるテーマですが、今を生き次世代を担う者として提案したいことがあります。
 まず日本刀が認知される重要性について述べたいと思います。世の中にはどんなに優れた商品があったとしても、その存在を知っている人、使っているがいなければ、その商品は流行りません。
 日本に住んでいる人であれば、日本刀というものの存在を知らない人は、まずいないと思います。しかしながら実際、刀屋に行って現金さえ支払えば誰でもそれを手に入れられる、という事実を知っている人はとても少ないのが現実です。
 私事ですが、一昨年、当店はテレビ朝日系列で放映されている「ちい散歩」という旅番組にて紹介していただきました。
 当店が紹介された実際の放映時間は二、 三分程度ですが、その広告効果はあまりに大きく困惑したものです。 放映日の翌朝、店のシャッターを開け、通りを掃除していると道行く人に「テレビで見たよ!」と声をかけられ、はたまた遠く離れた地方から「テレビを見て~」とお電話をいただき、実際に一振買ってもいただきました。
 このように、存在を認知されるということは、刀剣という閉鎖的な業界において非常に重要であると私は感じています。それを踏まえた上で、二つの方向へアプローチをかける必要性を感じています。
 

刀剣界、飛躍のためのアプローチ

 一つは、現時点で実際に購買力がある人かつ潜在的購入者への訴えです。そのような人々が多くいる場はどこか、と考えたときに私が思い浮かべるのは美術館です。美術館巡りを趣味とされているのは年配の人が多いと予想しますが、そういった方々はさまざまな芸術への見識が広く、今はまだ日本刀を深く知らないけれども、素直に美しいと思い、興味もなくはない、かつ購買力がある―。そうした層が確実に存在すると思います。
 その層へ何をどうアピールするか、ということが問題となりますが、そこで先ほど申し上げた「認識していただく」ということを優先させるべきではないでしょうか。
 われわれ刀剣商に直接的な利益が発生する可能性があるので、美術館内で現実的に可能がどうかわかりませんが、ポスターなどにより、例えば日本刀は誰でも買える、刀屋にいけばもう少し詳しく教えてもらえる、手に取って鑑賞もできるというアピールができれば、と思います。
 美術館のみならず、テレビ・新聞・電話帳・インターネットなどの情報媒体へのアプローチを可能なところから実践していくことも重要ではないでしょうか。
 既に趣味として日本刀に接していらっしゃる方は、自ら勉強会や刀屋を巡り情報収集をされていることと思いますが、われわれ刀剣業界人が、潜在的購入者を手助けし、横に広がる道を示すべきではないでしょうか。

 二つ目は次世代を担う子供たちへ、日本刀は世界に誇る美術品であるという真実を浸透させることです。
 前号の当コーナーで瀬下昌彦氏も指摘していましたが、「〇〇離れ」を筆頭に今の二十代は節制や節約をし、浪費することを嫌う傾向が強いです。これでは二十年後、四十年後に購買力のある大人になったとき、果たして日本刀という高価な美術品へ投資するでしょうか。
 そう考えたときに、今から十歳前後の子供たちに日本刀というものがどんなものなのかを知ってもらうことが必要ではないかと思います。例えば、小学生などに実際に刀を手に取って見てもらう機会をつくってはどうかと考えます。
 小学生ぐらいの男の子といえば、アニメ・ゲーム・漫画などの影響から刀や剣や銃に興味を持ち、どちらかといえばそういったものが好きだ、 かっこいい、と思う方が多いのではないでしょうか。このような取り組みを重ねることによって、ゆくゆくは刀に触れた経験のある子供たちが自ら刀に関心を持ち、入手したいと思うケースが増加するのではないかと思われます。
 また、そういった層を育てることが日本文化の振興につながり、ひいては利として返ってくるのではないでしょうか。
 

最後になりますが、ここで具体的な提案をしたいと思います。
 現在、テレビ東京系列で放映され好評を博している「開運!なんでも鑑定団」の放映時間枠に、今年の大刀剣市のCMを流してみてはいかがでしょうか。
 この番組を見ている人の中には前記の潜在的購入者も少なからずいるはずだし、ストレートに催しをアピールすることができると思います。
 
 これからは全刀商が日本刀の第一人者として先陣を切ることによって、刀剣業界がさらに発展するのではないでしょうか。

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