刀剣界ニュース

奥深い柄巻きの 技を究めたい

高校からデザイン専門学校へ。卒業後、家業を手伝っているうちに、刀装具や拵に興味が湧いてきました。もともと絵画や工芸に興味があり、作ることも好きでした。
 
鐔や縁頭などの彫金にはすごい技術が込められていると、いつも感心しておりました。小さな空間に魚なな子こをぎっしりと打ち、花鳥風月や山水、風物などを精緻に色金で表現する技術には、全く感心します。よくもこんなに細かな細工ができるものと、見るたびに思います。
 
柄巻きを始めるきっかけは、公益財団法人日本刀文化振興協会の「刀職者技術研修会」を知り、参加したことでした。
 
柄巻きは全くの初歩で、糸の撮つまみ方や道具の使い方など、基礎から教えていただきました。糸にも組み方や色、幅などにかなりの種類があり、巻き方にもさまざまな掟があって、当初は戸惑いました。
 
古い拵の写真集を見ますと、柄巻きにもさまざまな種類があって驚きます。当時の侍の心意気を、わずかでもうかがい知ることができる気がします。
 
柄巻きを始めてから数年がたちますが、まだまだ修業が足りず、師匠にもたくさん学ばなくてはなりません。柄巻きの仕事には、糸を巻くだけでなく、柄下地や鮫皮の巻き付け、縁頭との調整などいろいろあり、それぞれに掟があって、全部習得するには相当な時間がかかりそうです。
 
長野県坂城町の「鉄の展示館」には幾種類も柄巻きが展示してありましたが、あのような巻き方ができることを目標に、励んでいきたいと思います。

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