刀剣界ニュース

交換会紹介 全国刀剣青年会 四十周年大会を熱海大観荘で開催

今年の日本列島は、気象において何かと観測史上初といった記録更新が目立つ。例年に比べ、いささか暑さにうんざりされた方も多いのではないだろうか。十月になれば秋の装いも漂ってくるのだが、九月の末になっても一向に落ちない気温は、何か日本の景気を冷ましてたまるか!と頑張っているようで、むげに嫌うこともできない。
 そんな爽秋の九月二十六日、全国刀剣青年会四十周年熱海大会が、定宿である熱海大観荘で盛大に執り行われた。  全国美術刀剣青年会の歩みは
古く、創立から四十年を迎える。昭和三十九年に、東京美術倶楽部で市場を開いた全国美術刀剣会に続き、四十七年に、将来の刀剣業界で公正遵法の精神
をもって活躍する人材を育成する目的で設立された。
 近年続いた事故のため、その運営は決して楽ではなかったが、歴代の代表幹事はじめ役員たちの下、創意工夫と情熱と実行力で、見事逆境をはねのけてみせた。完全復活ではないかもしれないが、確実な手応えを得ていることは正会員とその実行委員の顔つきを見れば明らかである。
 今年の代表幹事である後藤一乗氏の挨拶から始まった大会は、序盤から大変な盛況で熱を帯び、特に生ぶ品や人気商品の競りでは、その進行に感嘆の溜
め息が交じる場面も多々見受けられた。重要刀剣の入札もあり、盛り上がりを見せた会は、締めてみれば五千万円弱という出来高をたたき出した。
 このことは、しばらく続いた暗雲まじりの景気の空に、熱気とともに運ばれて来た爽秋の熱風であり、刀剣業界が待ちわびた活気ある空気であったのではないだろうか。
 一カ月後の十月末には大刀剣市が開催される。そのころになれば気温はさすがにぐっと秋の装いを帯びていることであろう。しかし、今回の刀剣青年会四十周年熱海大会の熱気は、冷めることなく大刀剣市につながっていくであろう。そう、今年の夏の異常気象のように。(大西芳生)

Return Top