刀剣界ニュース

LA州博物館の日本刀展で 六万人超の入館を記録

二〇一四年十一月、ロスアンジェルス州立博物館においてサムライアートの展覧会が催され、日本の甲冑の展示とともに数々の名刀や刀装具が公開されました。展示の企画・解説には、日系三世のグループから公益財団法人日本美術刀剣保存協会米国支部理事マイク・ヤマサキ氏、ダリン・フルカワ氏、ギャリー・ヨシノ氏が選ばれました。ヤマサキ氏は、「私たちの第一の目標は『日本刀の美』を米国の一般社会へ紹介することです」と発表しました。
 
この度展示された作品は、少し前まで日本以外では見ることのできなかった名品の数々です。これは、近年の世界の経済状況やインターネットの普及などの状況の変化により実現できたものです。
 
第二の試みは、今日のオーディエンスに対し、新たな展示方法を提案しました。従来の伝統的な方法に新しいアイデアや最新の技術を加えた展示方法は、大変好評でした。米国カリフォルニア州は、地震多発地帯ですので、展示耐震構造にもなっています。
 
米国では日本のサムライとして「宮本武蔵」がとても有名です。そこで、第三の試みとして、「武蔵」の作品も二点選ばれました。これらの展示は米国の博物館において初めてでした。そのほか、日本の刀剣の歴史に沿った主要な名品の数々が展示されました。
 
鎌倉時代の作品としては、その出来映えや歴史的価値から来国光(特別重要刀剣)、相州行光(重要刀剣)が選ばれました。また、八点の特別重要・重要ランクの作品、高木貞宗(徳川家と細川家)、之定(黒田家)、雲州是一(徳川将軍家)、兼長(土屋家)、綱広(池田家)、村正(牧野家)六点の伝来品などが展示されました。
 
鎌倉時代から新々刀までのサムライアートの作品は、観客がそれぞれの時代の作柄の違いを鑑賞しやすいように考慮しました。
 
この展覧会の目的は広く告知され、地元の小学校からの見学があり、ロスアンジェルスの高校の先生たち二百人を対象とした講習会も催されました。また、米国でただ一人、永山光幹師の内弟子である林繁和氏による「伝統的な日本刀の研磨」についてのレクチャーもありました。
 
米国人の日本刀やその修復に対する興味は大変旺盛で、この四カ月の開催期間中に六万二千人の来館者を数え、米国内の他の博物館からの展示依頼や問い合わせも数多くあり、このような展覧会が催せたことを大変光栄に感じています。
(マイク・ヤマサキ)

Return Top