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江戸東京博物館特別展「徳川の城―天守と御殿―」 圧倒される世界最大の木造建造物

八月二十一日から九月二十七日まで、江戸東京博物館にて特別展「徳川の城―天守と御殿―」が開催された。行ったのは九月二十一日の敬老の日で、六十五歳以上は常設展示観覧料が無料ということもあって、年配の方を中心に賑わっていた。
 
展示物は、縄張り図・天守・御殿の平面図・立面図が大半を占め、それに江戸城・大阪城などの屛風絵と篤姫・和宮の調度品が往時の様子を伝えていた。大きさ3・6m×5・1m、畳十一畳分もある本丸御殿図を筆頭に、ものすごい数の図面・絵図が一堂に会し、圧巻であった。
 
江戸城・大阪城・名古屋城・駿府城・二条城をはじめとする徳川の城は、諸大名に分担させる天下普請で作られたが、江戸城の工事は、家康・秀忠・家光と三代にわたり、工事に関わった大名の数二百五十を数え、実に五十年の歳月を費やし、やっと完成している。
 
天守は織田信長が生み出したものだが、その目的は軍事的な面よりも、その威厳を示すためのものであった。家康から家光にかけて江戸城をはじめ各地にこの天守を作ったのは、徳川の権勢を知らしめるのが主目的であった。
 
江戸城の天守は面白いことに、家康の慶長天守から、秀忠の元和天守、家光の寛永天守とわずか三十年余りの間に、先代の建てたものを破却し、さらに大きなものに建て直されている。この家光の寛永天守の立面図も展示されていたが、木造の建造物では世界最大で、江戸の町のどこからでも見えたという。
 
江戸城の本丸には、公務用の「表向」、将軍公邸の「中奥向」、将軍私邸の「大奥」と合わせて、一万一三七〇坪、部屋数八百ものとてつもない広さの大御殿が建てられていたというから驚きである。この本丸御殿の各部屋が絢爛豪華な障壁画で飾られていたわけだが、NHKが五年の歳月を費やして作成した3D映像が大画面で放映されており、そのスケールと華やかさを実感することができ
た。
 
展示の最後は明治四年に撮影された江戸城の写真十四枚であったが、荒れ果てて草ボウボウとなった姿を見て、少し物悲しい気持ちで会場を後にしました。
(木村隆志)

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