新刀

長幸於摂津国作之 
Nagayuki Settsu ni oite kore wo tsukuru

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別重要刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Juyo Token No.24

長幸於摂津国作之  Nagayuki  Settsu ni oite kore wo tsukuru
  • NO.705
  • 作者:摂津国多々良長幸
  • Maker:Tadara Nagayuki
  • 銘文:長幸於摂津国作之
  • Sign:Nagayuki made in Settsu kuni
  • 伝来:蜂須賀家伝来品
  • History:From Hachisuka Family
  • 種別:白鞘刀 Katana and Shirasaya
  • 寸法:2尺8寸(84.8cm)反り1.7cm 元幅3.3cm 先幅2.3cm 元重0.7cm
  • 時代:江戸時代前期ー摂津国(大阪府)
  • 価格:御売約 Sold Out

江戸時代前期に摂津国(大阪府)で活躍した石堂派の天才、多々良長幸の特別重要刀剣指定作品。
多々良長幸は新刀上々作にして最上大業物。本国は紀伊国で、河内守康永の門人として大坂に移住、大坂石堂と呼ばれる一類で最高峰の技量を誇る名人となった。その作風は石堂派の御家芸ともいうべき備前一文字の作を思わせる大丁子乱を得意としており、また一方で腰の開いた互の目丁子を焼いた末備前風の二様が見られる。僅かながら天和・貞享(1681〜1688)頃の年紀作が残されておりその活躍期を窺い知る事ができる。
本作は小板目肌がよくつんで地沸が微塵に厚くついた精美な鍛えに乱れ映りが華やかに立ち、華麗な丁子乱れを焼くなど、彼が理想とした備前一文字を狙った華麗な作域を示しつつ、2尺9寸という豪壮な体配を示した大作である。これ程までに長寸で豪壮な作品は同作中他に例を見ないが、さらに驚くべきことに、これだけの大作でありながら元から鋒に至るまで、一点の破綻なく纏められており、大阪石堂の最高峰と謳われた多々良長幸の持つ技量の高さを余すところなく見せ付けた同作屈指の大名刀である。現在多々良長幸の特別重要刀剣指定作品は末備前写しが一点と、この石堂派の御家芸ともいえる一文字写しの傑作である本作の二点のみであり、本作は池田末松氏がその著作の中で蜂須賀家の伝来品との記載を残されている。

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