古刀

備州長船康光 嘉吉三年二月日
Bishu Osafune Yasumitsu A.D.1443

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K]Juyo Token No.19

備州長船康光 嘉吉三年二月日Bishu Osafune Yasumitsu A.D.1443
  • No.700 伝信州真田家伝来
  • 銘文:備州長船康光 嘉吉三年二月日
  • Sign:Bishu Osafune Yasumitsu A.D.1443
  • 種別:白鞘太刀 Tachi
  • 寸法:2尺6寸4分(80.1cm)反り2.0cm 元幅 3.2cm 先幅2.1cm 元重0.9cm
  • 時代:室町時代初期ー備前国(岡山県)
  • 価格:御売約 Sold Out

盛光と並び、室町時代初期における備前鍛冶の双璧と称される康光の太刀。康光は盛光と並び「応永備前」と呼称される室町時代初期の備前鍛冶を代表する名工である。銘鑑上康光は以降室町時代後期まで5代に渡り名跡を継いでいるとされる説もあるが、綿密な代別は今後さらに検討の余地を残しており、正長(1428年)以降の作品を二代作ともしている。
この派の作風は地鉄板目に杢を交え肌立った鍛えに地景風のかねが入り、刃文腰の開いた互の目が目立ち、帽子は先が尖って返る等の特徴が挙げられ、また他に穏健な直刃の作風もあり、ともに上手である。
本作は嘉吉年紀が添えられた康光の生茎、在銘の太刀で、現存品の稀な同作の太刀でも特に長寸で見事な体配を示し、板目に杢が交じって肌立ち、淡く乱れ映りがたつなど応永備前独特の鍛えを見せ、刃文は腰の開いた互の目に丁字・角張る互の目を交えて、小沸つき、帽子突き上げて返るなど同作の特色を随所に表した典型作である。2尺6寸(80cm)を超える程の長寸な作品は、現存品の稀な同作の太刀でもさらに珍しく、また嘉吉の年紀が添えられている事も同作研究において貴重である。物打ちにかけては鎬地にかかる程に焼きが高く、その制作が室町時代初期に遡るとは信じられない程に健全な体を示した同作中のまさに傑作である。
本間薫山博士鞘書「備州長船康光 二代目嘉吉三年作 刃長二尺六寸三分半 信州真田家伝来」
鑑刀日々妙 所載品


Return Top