鑑定書内容:鑑定書 :(財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具
Certificate:NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
- NO.B207
- 銘文 : 長常(花押)
- Sign : Nagatsune(seal)
- 江戸時代 17th Century
- 価格:御売約 Sold Out
江戸時代中期、京都金工の三傑と謳われた一宮長常の特別保存刀装具指定作品。
一宮長常は享保六年(1721年)に越前敦賀に生まれ滅金師からスタートし、後に京に上り後藤系の保井高長に師事した。初期は雪山と銘し、後に長常と改銘、含章子と号した。また、絵画を円山応挙の師である石田幽汀に学んだ。後藤流の高彫も上手だが、平象嵌に片切彫でも名を馳せ、遂には「東の宗珉、西の長常」とまで謳われ、さらに鉄元堂正楽、大月光興と共に「京都金工の三傑」とも称えられる最高位の金工師の1人である。天明六年(1786年)、66歳で没した。
本作は四分一磨地に片切彫と平象嵌の手法を用いて恵比須大黒にネズミ、子供等をいきいきと描き出している。本図案は一宮長常の下絵帳『一宮長常彫物書帳』に所載されており、長常の入念なデッサンの元制作された様子が窺える。構図の妙、片切彫の鋭さ、丁寧な象嵌の仕立ては流石に見事である。