刀装具

信家(放れ銘)花文透鐔
Nobuie Tsuba
Design of Rosary

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

信家(放れ銘)花文透鐔Nobuie Tsuba Design of Rosary
  • NO.B220
  • 銘文:信家
  • Sign:Nobuie
  • 時代:桃山時代-尾張国(愛知県)
  • 法量:8.3cm,7.9cm,0.5cm
  • 価格:¥3,300,000

室町時代末期、金家と並び、鉄鐔の双璧と謳われる信家の特別保存刀装具指定作品。
鐔工「信家」は織田信長に仕えて、尾張国清州城下で鐔制作に励んだと云われている。信家は京都伏見の金家とともに鉄鐔の双璧を成し、ともに鐔を工芸品から芸術品にまで高めた名人である。絵風鐔を創始した金家に対し、信家は概ね厚手で量感に溢れ、鍛えが無類によく、各種図柄や神号、剣の極意や武士の思想などを毛彫で表した作品が残されている。拵の種別を問わず据えられた作品の品格を一格も二格も向上させてくれる同作はまさに鐔の王者というに相応しく、古来多くの武将や偉人達に好まれ名作の拵に用いられてきた。名の字体から「放れ銘」「太字銘」の二種類に大別され、太字銘信家は放れ銘信家と親子、あるいは兄弟の関係と考えられている。
本作は「放れ銘」の信家で同作のうち花弁を透かした図は「中村覚太夫 信家鐔集」第六十一圖(太字銘 信家、東京国立博物館所蔵)や第百二十三圖(放れ銘信家、所在不明)にも見られ、常に十字架(クロス)と共に用いられている。古来ロザリオにはローズの飾りが付され、勝矢俊一氏が「信家の新研究」において述べているとおり、信家にはカトリック信仰を暗示した所謂キリシタン鐔といわれる物が残されており、本作は信家の信仰を示す大変貴重な資料である。


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