刀装具

安親 虎子渡図縁頭
Yasuchika Design of Tiger

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

安親 虎子渡図縁頭Yasuchika Design of Tiger
  • NO.B222
  • 銘文:安親
  • Sign:Yasuchika
  • 時代:江戸時代ー出羽国(山形県)
  • 価格:¥2,200,000


江戸時代、奈良利寿、杉浦乗意と共に「奈良三作」と称された大名人、安親の特別保存刀装具指定作品。
土屋安親は弥五八と称し、庄内藩士、土屋忠左衛門の子として寛文十年 (1670年)に生まれ、正阿弥珍久の門に学び、元禄十年(1697年)、34歳の時に江戸に出府、奈良辰政について更に修行し天性の才能を開花させた。奈良利寿、杉浦乗意と共に「奈良三作」と称され、数々の名作を世に残した名人中の名人であり、日本帝国美術史にはその作風を評して「其彫風高雅にして風流を旨とす。例えば光琳の如く、一種飄逸にして妙鏡に至れるものあり。」と記され、重要文化財6点、重要美術品14点が国の指定品に認定されるなどの高い評価を受けている。
掲題の虎の児渡し図は利寿をはじめ、奈良派の多くの作家が用いていることから当時より人気の図柄であったようだ。二匹の温厚な児虎と、一匹の凶暴な児虎を連れた母虎が、川を渡る際にどのような順で運んだら児虎が襲われずにすむであろうか、という内容であるが、子を思う親のあり様、あるいは戦場において重視される咄嗟の判断力を暗示しているという。漆黒の赤銅地に眼光鋭い虎の肢体は同作の魅力を十全に伝える格調高い逸品である。

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