
- No.A896 特別展 「山姥切国広展ー名匠の軌跡、名刀の誕生ー」にて展示中
- 銘文:日州古屋住山伏時国広作
- Inscription:Nisshu ju Huruya ju yamabusi toki Kunihiro saku
- 種別:刀 Katana
- 寸法:2尺5寸5分(77.2cm)反り1.9cm 元幅 3.0cm 先幅 2.2cm 元重 0.6cm
- 時代:室町時代後期ー日向国(宮崎県)
- 価格:御売約 Sold Out
- 特別展「堀川国廣とその一門」、「帰ってきた堀川国廣」 古河歴史博物館 出品作
- 「堀川国広とその弟子」所載品
江戸時代初期、京都にて新刀屈指の名門を作り上げた名工、堀川国広の重要刀剣指定作品。
国広はもと九州日向の伊藤家に仕えた武士で、同家が没落した後諸国を遍歴しつつ各地で作刀した。慶長四年(1599)以後は京都一条堀川に定住し、多くの優れた弟子を育て十九年に没したといわれている。彼の作風は概ね二様に大別され、堀川定住以前の作(天正打と呼称)には、末相州や末関風のものがみられ、定住後の作(慶長打と呼称)は、それらのものと作風を異にして、相州上工に範をとったと思われる物が多い。重要文化財並びに重要美術品にそれぞれ12振が指定されている新刀筆頭格の名工である。
本作は天正打と云われる古刀期の作品で、長寸で反り深く、元先の幅差がついた堂々たる体配に、鍛えは板目に杢交じり、地景入り、刃文は匂出来の乱れ刃に所々飛び焼きを交え、僅かに棟を焼くなど同作天正打の典型的な作風を示している。銘字より天正十二年、ないしは十三年の作と鑑られ、貴重な国広古屋打ちである事に加え、「山伏時」とあるように主家・伊東氏の没落後、山伏に転身、山岳修行に身を投じていた時の作品で、山伏銘国広の作は天正十二年の重要文化財指定品と本作のみという大変貴重な作品であり、かつ出来も非常に素晴らしい。華やかな蒔絵を施された拵は室町時代から幕末まで、各代将軍家に仕えた幸阿弥の在銘品でありこちらも大変貴重な作品であり、さすが名刀を飾るに相応しい優品である。