鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K] Tokubetsu Hozon Token

- No.901
- 銘文:河内守藤原国助(初代)
- Sign:Kawachi no kami Fujiwara Kunisuke(First Generation)
- 種別:刀 Katana
- 寸法:2尺寸2分(70.2cm)反り1.6cm 元幅3.0cm 先幅 1.9cm 元重 0.7cm
- 時代:江戸中期ー摂津国(大阪府)
- 価格:¥1,650,000
江戸時代に摂津国(大阪府)で活躍した初代河内守国助の特別保存刀剣指定作品。
初代河内守国助は、初代和泉守国貞(親国貞)と同様に堀川門下の末弟子であるが、その初期の作風・銘振り等から鑑て、事実上の師は、門下の先輩格である越後守国儔であったと推測される。国広歿後、親国貞と共に大坂に移住し、大坂鍛冶の先駆者となり、その後の大坂鍛冶に大きな影響を及ぼしている。河内守受領については明確ではないが、同作に、「河内守藤原国助」銘で「寛永三年二月日」紀の薙刀及び短刀などが現存し、さらに年紀はないが、それよりも時代の遡ると思われる河内守銘の遺例があることから、おそらく元和九年、初代国貞の和泉守受領と相前後するものと推測される。
本作は小板目肌の積んだ美しい鍛えに、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、刃文は腰元を直ぐ調に焼き、その上は互の目・小互の目が連れて飛び焼き交じえるなど大阪新刀華やかな、銘字が下に行くに従って徐々に大きくなるなどの態には、国広及びその門下に見る手くせに相通じるものがある。
彼が堀川一門の出身であることを強く窺わせる作品で、しかも放胆な作柄に仕上げている点が特筆される。初代河内守国助の一作風をあらわした出来のよい一口であ
る。
なお本刀は、先に幅差がつき、踏張りごころがあり、反りが深めにつき、中鋒をなした造込みを示している。この形状は、寛永・正保頃の刀工の作によく見受けられるもので、その姿態にも同時代の特徴が明示されている。