刀装具

信家 唐草文鐔
Nobuie Tsuba design of arabesque

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

信家 唐草文鐔 Nobuie Tsuba  design of arabesque
  • NO.B249
  • 作者 : 信家
  • Maker : Nobuie
  • 桃山時代-尾張国(愛知県)
  • 法量 縦:80mm 横:77mm 厚:5.3mm
  • 価格:¥2,750,000

室町時代末期、金家と並び、鉄鐔の双璧と謳われる信家の特別保存刀装具指定作品。
信家は織田信長に仕えて、尾張国清州城下で鐔制作に励んだと云われている。信家は京都伏見の金家とともに鉄鐔の双璧を成し、ともに鐔を工芸品から芸術品にまで高めた名人である。絵風鐔を創始した金家に対し、信家は概ね厚手で量感に溢れ、鍛えが無類によく、各種図柄や神号、剣の極意や武士の思想などを毛彫で表した作品が残されている。拵の種別を問わず据えられた作品の品格を一格も二格も向上させてくれる同作はまさに鐔の王者というに相応しく、古来多くの武将や偉人達に好まれ名作の拵に用いられてきた。銘の字体から「放れ銘」「太字銘」の二種類に大別され、太字銘信家は放れ銘信家と親子、あるいは兄弟の関係と考えられている。本作は「太字銘」の信家で形は木瓜形。植物の木瓜(ボケ)が強い生命力を持つことから繁栄と成長を象徴する形で「信家の木瓜形」とも言われる代表的な形である。地鉄は柔らかく錆色美しく、耳の打ち返しも見事で、鐔全体の調和を引き立てている。その肌には桜の花や亀甲文様、唐草文様も見て取れる。桜の花は散り際の美しさを象徴する文様で、武士にとっての美学や精神性を表し、六角形の亀甲文様は不老長寿を唐草文様は子孫繁栄を表している。こうした武士の好んだ吉祥の思想を取り入れた装飾を得意とする信家精華の一作である。






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