
靖国神社遊就館の改修工事費用を工面するためのクラウドファンディングの返礼として2月15日に同館で開催された日本刀の講義、鑑賞会、並びに職人の仕事体験(刀身制作、銘切、研磨、鞘制作)は満枠の参加者が集まり、大盛況となりました。
全国の展覧会や神社、学校法人などで活動する日本刀文化普及団体『鉄芸』のメンバーよりそれぞれ講演と鑑賞会を刀剣古美術飯田高遠堂の代表、飯田慶雄、刀身制作体験を刀鍛冶 石田國壽、山下浩、研師体験を松森壮太郎、水田吉政、藤代龍哉、鞘作成を鞘師 森井敦央が担当し、老若男女を交えた100名ほどの寄付者達を相手に、普段では手にすることが出来ない靖国神社の所蔵刀剣や飯田式軍刀拵を実際に手に持って鑑賞したり、職人達が実際に使用している道具(鏨や天然砥石、鉋)を使用して日本刀制作の各工程を体験し日本刀全般の知識を学んだ。
多くの参加者は日本刀を手に持つのは初めてという事で、「軍刀とは普通の刀剣とは何が違うのか」「刀剣の価値とは何で決まるのか」「戦後アメリカに渡った日本刀はどうなったのか」など多くの質問が飛び交い、体験では鉋や銘切鏨を四苦八苦しながらも扱い、最年少の参加者であった少年は目を輝かせ、削り出した朴の木を抱えて記念に持ち帰った。
下地研体験で研磨を行う体制の窮屈さに多くの体験者が驚いていました。
刀鍛冶による銘切指導では二人一組で熱心に鏨を打ち込む参加者達
鞘削り体験では多くの大人達も熱心に鉋を動かしました
プロジェクターを用いた研磨工程の解説にも多くの方々が聞き入っていました。
山下刀匠の軽快な解説に多くの体験者が感心していました。
最年少ながら全工程を完了させてた彼は将来の職人候補でしょうか。
次回の鉄芸による講演、刀職体験は3月8日に足利市立美術館で開催中の山姥切国広展の関連プログラムとして市内小中学校に在学している小学校4年生から中学校3年生対象に 「ワークショップ 日本刀にまつわる職人体験 君も立派な職人」と講演会・刀鑑賞会として「日本刀の鑑賞法、 国広一門の 作品群を持ってみよう」が開催される。
講演会はすでに満枠ですが、ワークショップはまだ参加可能ですのでどうぞご希望の方はぜひ足利市立美術館にお問い合わせください。