
2025年3月8日、足利市美術館で開催中の「山姥切国広展-名匠の軌跡、名刀の誕生-」イベントとしてお馴染みの鉄芸メンバーによるワークショップ「日本刀にまつわる職人体験 君も立派な職人」と講演、鑑賞会「日本刀の鑑賞法、国広一門の作品群を持ってみよう」が行われました。
ワークショップでは市内の学生限定で募集した30人を対象に銘切り、研磨、鞘削りをそれぞれ刀匠、研ぎ師、鞘師が10人ずつのグループに別れて各工程を体験してもらいました。
講師として参加してくれたのは刀匠から石田國壽、 上畠 宗泰、研ぎ師 小川和比古、藤代龍哉、松村壮太郎、水田吉政、 森井 鐵太郎 、鞘師、森井 敦央の8人の職人たち。
参加者は中学生が8人、小学生が22人で皆熱心に鏨や鉋、そして刀を動かして各工程をこなしていました。
待ち時間には怪我をしないように刃を落とした記念撮影用の刀を用意し、皆さん親子で楽しそうに記念撮影をし、初めて手に持つ日本刀の重量感に感嘆の声を上げていました。
体験後のアンケートでは印象に残ったことに「銘切りが楽しかったこと」「自分の名前を切れて嬉しい」「キーホルダーがゲットできてよかった」「かんなで木を削ったこと」「研ぎが楽しかったこと」「研ぎの際の独特な座り方 ・研ぎの際、刀の汚れがすごくとれたこと」「刀の伝統」「使ったことない道具を使えて楽しかった」「どれも楽しかった」「初めて本物の刀を触ったこと ・先生方が優しく丁寧に、楽しさだけでなく難しさも教えてくれた(親の感想)」などの意見が寄せられ、筆者が全員にしたどの職人になりたいかな?という問いかけには鞘師が僅差で一番人気となり、職人達より終了証書を授与して御開きとなりました。
午後には講演、鑑賞会「日本刀の鑑賞法、国広一門の作品群を持ってみよう」を当店代表飯田慶雄が担当、
国広他一門の作品8振りを用意し、100名の参加者に実際に本物の日本刀を手に持って鑑賞して頂きました。
100人の枠に300人を超える申し込みが殺到し、参加者は9割が女性、最短でが30代で平均年齢は39.6歳、栃木県以外では関東近辺他、北海道や奈良、大阪からも参加者が集まり、大事に作品を繋いできた先人達に敬意を払い大事に扱うこと、刀剣は想像より繊細なものである事、鑑賞時はアクセサリーの他、腕時計などもちゃんと外す事、刀身には直接触接触れない事、刀身を持って喋ってはいけないなど、基礎中の基礎を確認し鑑賞して頂き、鑑賞中に質問を受け付けたところ、皆さんとても熱心で2時間の間質問が途切れることはなく、15分延長してもなお多くの方が名残惜しそうに刀剣を眺めていたのが印象的でした。
鑑賞刀は以下の通り
刀 銘 國廣 重要刀剣
脇差 銘 國次 重要刀剣 国広弟
脇差 銘 國安 重要刀剣 国広弟
脇差 銘 阿波守在吉 特別保存刀剣 国広弟子
刀 銘 大隅尉正弘 日州住 重要刀剣 国広弟子
脇差 銘 城州住國時 於南紀造之 寛永四年正月 特別保存刀剣 国広弟子
刀 河内守藤原国助 特別保存刀剣 国広孫弟子
脇差 銘 堀川住吉貞 国広孫弟子
なお、見切れなかった方にはご来店頂ければお見せする事をお約束し閉幕させて頂きました。
当店は完全事前予約制となっておりますので鑑賞ご希望の方は必ず事前にご予約の上ご来店ください。
地元紙でも紹介して頂きました。ありがとうございます。