鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K] Jyuyo TokenNo.35

- NO.902
- 銘文:備州長船兼光 文和二年十二月日
- Sign:Bishu Osafune Kanemitsu A.D.1353
- 種別:脇差 Wakizashi
- 寸法:1尺1寸2分(34.1cm)反り 0.3cm 元幅 3.0cm 元重 0.5cm
- 時代:南北朝時代ー備前国(岡山県)
- 価格:¥11,000,000
南北朝時代に備前国で活躍した長船派4代目、兼光の在銘年紀入りの作品。
兼光は鎌倉時代後期、元享(1321)から南北朝期の貞治(1362)の年紀作が残されている刀工で、その作風は、南北朝期の康永(1342)頃までは片落ち互の目や直刃を焼いた、父景光によく似たもので、その後姿が大柄で従来には見られなかったおっとりとしたのたれを主張とした刃文を焼き始めている。
本作は南北朝時代の特徴的な大仰な体配を示した寸延び短刀で、地鉄、小板目肌がつんだ清涼な鍛えに映りが立ち、腰元表裏に神仏の加護を願った梵字の彫り物を加え、刃文、互の乱れを焼いて明るく冴えた上作であり、文和の年紀が添えら
れていることも大変貴重である。