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於駿府越前康継
Echizen Yasutsugu (1st Generation)

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K] Jyuyo TokenNo.45

於駿府越前康継Echizen Yasutsugu (1st Generation)
  • No : A903
  • 銘文:於駿府越前康継(初代)
  • Inscription:Echizen Yasutsugu at Sunpu (1st Generation)
  • 種別:拵付脇差 Wakizashi and Mounting
  • 寸法:1尺3寸2分(40.0cm)反り 0.5cm 元幅 3.0cm 元重0.6cm
  • 時代:江戸時代初期ー越前国(福井県)
  • 紀州徳川家伝来、新刀名作集所載品
  • 価格:御売約 Sold Out

江戸時代、徳川将軍家の御抱工として天下に名を馳せた名工、初代越前康継の重要刀剣指定作品。
初代康継は近江国坂田郡下坂郷の出身で、のち越前に移住、結城秀康に見出され、初期には、「肥後大掾下坂」と銘していたが、後に江戸に召され、家康・秀忠両将軍の前で鍛刀し、その賞として葵紋及び「康」の一字を賜り名を康継と改めた誉れ高い名工である。彼は大阪落城の折に消失した太閤御物の多くを再刃し、様々な名物の写しを制作するなどの功績を残し、その名跡は11代の長きに渡って徳川家に仕えた。その作風は浅いのたれに互の目を交え、沸つき、金筋・砂流しがかかるなど、相州伝と美濃伝の流れを受けており、また彼の特徴として南蛮鉄を用いたと明記している事があげられ、当時としては特殊な鍛法を試みることが出来たのも徳川家の厚遇あってのことであろう。

本作は身幅広く、寸が長く、重ねの薄い南北朝時代、延文貞治頃を狙ったと思われる体配に、地鉄は板目つみ地景が細かに交じった鍛えに、地沸微塵に厚くついて黒味をおび、刃文は浅いのたれを基調に金筋・砂流しが細かにかかるなど、所謂相州伝、中でも貞宗辺りを狙ったと思われる作域を示している。本作の特筆すべき点はその銘文にもあり、「於駿州」と銘した、いわゆる駿州打の一口で、同作中駿州打ちはわずか数振りが確認されるのみであるが、中でも脇差の遺例は本作含め世に2点のみと云われる大変希少な作品である。本阿弥光遜氏の鞘書に紀州徳川家伝来とあり越前彫も冴える同作中の傑作である。

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