刀装具

雪輪透鐔 彦三
Tsuba design of snow ring
Made by Hikozo Hirata

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具 [N.B.T.H.K] Tokubetsu Hozon Tousougu

雪輪透鐔 彦三Tsuba design of snow ring Made by Hikozo Hirata
  • NO.B262
  • 作者 : 彦三
  • Maker :Hikozo
  • 時代:江戸時代
  • 法量 縦:74mm 横:72mm 厚:4.3mm
  • 価格:お問い合わせください
  • 肥後金工大鑑所載 165番 浦郷喜久男氏旧蔵品

肥後の平田家に生まれ、桃山時代に肥後金工の中でも異彩を放つ上手であった彦三の特別保存刀装具指定作品。旧姓を松本氏といい、江戸時代初頭に肥後(熊本県)で栄えた肥後金工の名工。細川忠興に従って京都から移住したと伝えられる。その門下からは志水甚五(甥)、西垣勘四郎が輩出し、尾張系の林又七と共に肥後金工の四大流派を形成した。技術的には古正阿弥の伝統を多く継承し、素材には鉄地もあるが、山銅、真鍮、赤銅などの色金が多く、象嵌はもとより阿弥陀鑢や翁鑢を施すなどして細川三歳の求めた雅趣溢れる世界観を最も深く体現した作家である。
本作は柔らかみのある山銅地に翁鑢を施し、雪輪型の穴を配置することで格調高さに洒脱さを併せ持った造形に仕上がっている。茎穴周りの責鏨に耳には銀の小田原覆輪が添えられ銀の光沢と山銅の渋みが見事に調和しまさに『侘び寂び』の精神を体現した造形美とも言えるだろう。この手の覆輪は一説に明治の補作との説もあり、ともすればいずれの名工の手によるかは不明であるが素晴らしい技術を持った名工であろう。

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