鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K] Jyuyo Token No.17

- NO.A945
- 銘文:大隅尉藤原正弘
- Sign:Osumi no jo Fujiwara Masahiro
- 種別:刀 Katana
- 寸法:2尺4寸3分(73.7cm)反り 1.7cm 元幅 3.0cm 先幅 2.5cm 元重 7.3 mm
- 時代:江戸時代前期
- 価格:¥11,000,000
江戸時代前期、山城国の名門堀川一門の高弟、大隈尉正弘の重要刀剣指定作品。
大隅掾正弘は、日州飫肥の出身で、国広の甥、或は門人ともいうが、その詳細については定かではない。但し、同作には 「慶長十一年三月吉日」紀のものが三口(刀・脇指・短刀各々一口ずつ)現存し、その作域を見るに、かなりの老熟さを示している。さらにこの時既に大隅掾を受領していることは、一門中、阿波守を冠する慶長二年紀の在吉の作に次ぐものであることから、同門の中でも先輩格であったろうことが推測されている。 そして、正弘の作刀が頗る少ないことに加えて、彼の作風・銘振り・鑢目・茎仕立などが、 国広に最も近似していることなどから、 国広の代作者の一人であったことも指摘されており、『治工銘集誌』には、「国広が代を勤むると云へり、至って上手也」と評している。慶長十九年国広歿後は、本国日向に帰ったものと思われ、「日州住」或は「日州飫肥住」と銘したものが4点現存している。
本刀は幅広で、元先の幅差が少なく、反りが浅く、中鋒の延びた、慶長新刀の特徴的な形状を示しており、殊に、このような 長大でズッシリと手持の重い体配は、一門中でもこの工に多いものである。また鍛えはザングリと肌立って、堀川物の肌合を呈しているが、とりわけ杢が一段と目立って交じっているところにも同工の特色を窺うことが出来る。刃文は小のたれに互の目を交えた出来口で、相州上工、貞宗の就中「名物二筋樋貞宗」などに倣った作域を示し、国広の作域に相通じるものがある。優れた作域に加え、世に4点のみ存在するともいわれる日州住という居住地銘を添えた資料的にも貴重な名刀である。

