鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.H.K] Tokubetsu Hozon Tousougu

- NO.B312
- 銘 :無銘(甚五)
- Inscription :Mumei(Jingo)
- 法量 : 縦 71.0mm 横 71.5mm 厚み 6.0mm
- 江戸時代
- 価格:¥2,200,000
肥後金工は、林・平田・西垣・志水が本流を代表する四家である。その初代の金工はすべて、細川三斎忠興に抱えられ、指導を受けた。寛永九年に加藤家改易ののち、その子の忠利が熊本五四万石に封ぜられると、三斎は隠居の身となり、八代城を隠棲の場と定めた。
平田彦三の甥と伝えられる初代甚五は、このときに彦三と共に八代に移っている。甚五の作風の特色は、肥後の諸金工の中にあって、ひときわ強烈な個性を発揮し、槌目焼手仕立ての鉄地に、表には猛禽や鳥などの画題を大胆に配する。一方裏は、空間を懲図的に広くとり、文様は小さく配する手法をとる。一見表裏のバランスが非対称に感ぜられるものの、そこには甚五の卓越した技量と独特の世界観があり、総体的にきわめて均整のとれた趣の深い作品を数多残している。
この鐔は、木瓜形の鉄槌目地に、甚五が得意とする鋤出手法にて、鯉と瀧を配した所謂登竜門の図で、立身出世を祈念する同図は甚五が得意とした意匠の一つであり、同工独自の世界観が成されて好ましい。







