刀装具

九曜紋鐔 無銘 彦三
Kuyo mon Tsuba attributed to Hikozo

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tousougu No.66

九曜紋鐔 無銘 彦三Kuyo mon Tsuba attributed to Hikozo
  • NO.B317
  • 銘 :無銘 彦三 
  • 寸法:79.5mm×79.5mm×4.1mm
  • 時代:江戸時代
  • 価格:¥5,500,000
  • 肥後金工大鑑、新刀集、刀の小道具所載

肥後の平田家は正阿弥系であるが此の派の祖、初代彦三は京で細川三斎に仕え、同家の移封に伴って熊本に下向し、寛永十二年同地で歿している。その門下からは、志水甚五(甥)、西垣勘四郎が輩出し、尾張系の林又七と共に肥後金工の四大流派を形成した。技術的には正阿弥の伝統を多く継承し、素材には鉄地もあるが、山銅・真鍮・赤銅などの色金が多く、象嵌はもとより阿弥陀鑢や翁鑢を施すなどして、雅趣溢れる装飾性を加えている。鐔姿を切り込みの深いハッ木瓜形とし、陰透とした曜を真円形に意匠として配置し、他工には見られない独特な趣向を放つ如何にも彦三の造形然とした鐔である。
加えて本作を鑑みるに肥後平田派が、元来正阿弥の流れより出たことを示唆するような出米口ともいえる。さすがに面取りのなだらかな肉置きが絶妙であり、端的な意匠ゆえに技術の高さが十分に窺える一枚である。周囲を八曜、刀の入る中心を一曜に見立てた九曜であるが、細川家に伝来する同手の作が永青文庫所蔵品として知られ、彦三の独特な世界観を表す傑作として古来知られた名鐔である。日本を代表する刀装具蒐集家として知られる藤井学氏に旧蔵されていた。

参考資料 九曜透鐔 細川家伝来 永青文庫蔵

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