鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tosougu No.70

- NO.B 319
- 銘文:戸張富久
- Inscription:Tobari Tomihisa
- 時代:江戸時代 (18世紀)
- 価格:¥5,500,000
江戸時代、後藤家の門下として活躍した戸張富久作揃金具の重要刀装具指定作品。
戸張富久は通称を喜惣次といい、豊島郡雑司ヶ谷村に生まれた。後藤家十三代光孝の門人となり、後藤家の彫技を修めた後に独立し、自らも斉藤富隨など門人を育成した。実子に喜久がおり、 彫金の家業を継承している。作風は赤銅魚子地に高彫もしくは金紋を施した御家彫の典型的作風のものを多く見る。本作は赤銅魚子地に金紋で霊獣を配した小柄、笄と、金無垢地容彫で同じく霊獣を彫った目貫による三所物である。紋や裏哺に金を贅沢に用い、彫様は言うまでも無く小柄 笄の造込みにいたるまで師家である後藤様の彫りを篤実に継承しており、光孝の高弟であった富久の高い技術が遺憾なく発揮されている。それぞれの霊獣は御家彫の伝統的な意匠によりながらも、配置する場所や角度に工夫がなされており、恰も作品の中で霊獣が生きて飛び跳ねているかのように思わせる程である。富久の作には「模通乗」「光理院以図」と銘したものがあり、 師家の作から多くを学ぼうとしたことが窺える。本作もその一環であり、また後藤家が同工のよう な門弟を育て、且つその下支えによって成り立っていたことを想起させる一作である。(刀剣美術 重要刀装具 武田耕太郎解説より抜粋)なお多種の霊獣が描かれているが白沢と共に描かれているのは肥遺(ヒイ)とみられ(山海経より)、刀装具では他に経眼したことのない非常に珍しいものである。









