新刀

喜翁荘司美濃介藤原直胤作之 嘉永七年二月吉日
Kiou Souji Mino no suke Fujiwara Naotane A.D.1854

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K] Tokubetsu Hozon Token 同 特別保存刀装具 Tokubetsu Hozon Tousougu

喜翁荘司美濃介藤原直胤作之 嘉永七年二月吉日Kiou Souji Mino no suke Fujiwara Naotane A.D.1854
  • 銘文:喜翁荘司美濃介藤原直胤作之 嘉永七年二月吉日
  • Sign:Kiou Souji Mino no suke Fujiwara Naotane Korewotukuru A.D.1854
  • 種別:拵付刀 Katana and Mounting
  • 寸法:2尺2寸弱(66.6cm)反り1.2cm 元幅3.2cm 先幅2.5cm 元重0.6cm
  • 時代:江戸時代後期ー武蔵国(東京都)
  • 価格:御売約 Sold Out

幕末の名門、水心子正秀一門の高弟、大慶直胤の喜寿記念作品。
直胤は文政4年(1821年)に筑前大掾を受領し、嘉永元年(1848年)に上洛し美濃介に転じている。彼は若年の折に江戸に出て、水心子正秀の門に入り、後に師と同様に秋元候に仕え、細川正義と共に水心子正秀門下の逸材となった新々刀最上作に冠される門弟随一の名工である。その作風は初期には濤瀾、大互の目乱れに沸がよくついたもの、備前伝の丁字乱れ、相州伝もよくこなしており、特に備前伝の作品には優れたものが多く、まま師を凌ぐ程の傑作が残されている。
本作は嘉永7年(1854年)直胤七十七歳、喜寿祝いの年に制作され、「喜翁」の文字が銘文に添えられた記念作品である。身幅広く、大切先の延びた豪壮な体配に、地鉄、板目肌流れて柾がかり、杢肌を激しく表し、細かな地景をよく混ぜ、刃文、のたれに互の目を交え、帽子、乱れ込んで先尖って返り、総体に激しく沸づき、幾重にも重なった太い金筋・砂流しを交えるなど、同作中でも傑出した華やかな作風を示している。南北朝時代、延文、貞治頃を狙ったと鑑られる豪壮な体配を示し、硬軟の鉄を混ぜ合わせて美しい地鉄と激しく華やかな沸の妙味を兼ね備えた、備前伝に正宗の作風を加味した相伝備前、長義などを狙ったと鑑られる作域を示している。齢七十七歳の直胤がこれだけ豪壮で激しく美しい覇気に溢れた作品を残していることに、水心子一門、随一と云われた彼の卓越した技量の高さと、作刀への情熱を感じさせる傑作である。
拵も鉄地に金の布目象眼で迫力ある雲龍を描いた揃金具を用いた名品であり、鐔にある「文久癸亥年雙龍軒作之 応佐藤昭因君需」との銘文から文久三年(1863年)に江戸の名工関義則(雅号、雙龍軒)が入念に制作した注文作であったことがわかる。彼の得意とする龍が海中から富士に飛び上がる様子を見事に描いた名鐔であり、同時代に制作された上手の拵が今日迄共に伝来した事はすこぶる貴重であり、内外共に優れた作域を示した優品である。
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