刀剣界ニュース

四十周年を迎えた交換会 「全国美術刀剣青年会」の歩み

現在、交換会と呼ばれる「市場」が各地で数多く開催される中、全国美術刀剣青年会(以下「青年会」)が、創立四十年を迎えました。
 直近の名簿には、各市場の会主を務められる諸先輩をはじめ、活躍される多くの方々が特別会員として名を連ねます。本来、その諸先輩に語っていただくきところですが、拝聴したことを交え、ご紹介したいと思います。
 青年会はその定款第三条で、目的を次のように記しています。「本会は、将来の刀剣商業界に於いて公正遵法の精神を以て明朗健全に活躍する人材を相互開発し、研修修練する事を目的とする。」
 昭和三十九年、刀剣業界では初めて、東京美術倶楽部で市場を開催した「全国美術刀剣会」に続き、上記目的達成のため、昭和四十七年五月に公安認可を受け、市場はスタートしました。
 さて、開催地の東京美術倶楽部は、明治四十年四月に美術界の期待を背負い株式会社として両国に設立。大正十三年に現在地へ移り、昭和十二年に三階建て和風社屋が建てられました。新築建て替えのため、平成元年三月に銀座ギャラリーセンタービルへ仮移転し、三年十二月に現在の社屋が竣工しました。青年会も旧社屋から通称「ギャラセン」、そして新社屋と会場を移しましたが、浪漫感じる和風旧社屋を知る方も減ったことでしょう。
 会運営は、代表幹事が毎年代わり、歩金も抑え、行事で還元するというものでした。昭和五十年代は、公開オークションや正札展示即売会、後に厳島神社や上杉神社への研修旅行、都内勉強会なども催され、歴史ある会場での市場開催を含め、さまざまな経験の場となりました。また、先輩の皆さんから伺う武勇伝も数々あり、活況な時代の良き伝説となっています。
 聖域化されていた青年会も、事故の標的になる逆境の中、現役会員(五十歳以下)減少も若干解消され、先輩方のご支援のもと、遵法自治を強め難局を乗り越えつつあります。近年の現役先輩が後輩をサポートする発句システムなど、その使命はまだ続くことでしょう。「継続は力なり」。今後の進化に期待しつつ、一層のご支援ご協力をお願いいたします。(伊波賢一)

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