刀剣界ニュース

生誕二百年記念「清麿展」巡回開催される

清麿生誕二百年を記念して、「清麿展」が静岡県・佐野美術館を皮切りに、八月三十一日から来年四月六日まで、清麿ゆかりの地などの美術館で巡回開催
される。
 この展覧会には、文化庁所蔵の山浦環正行銘の刀、公益財団法人日本美術刀剣保存協会所蔵の源秀寿(為斎藤主人作之)銘の短刀、真田宝物館所蔵の信濃国正行(窪田清音佩刀)銘脇指をはじめ、全国の清麿愛好家秘蔵の名刀が総数五十八点出品される。
 清麿最初期の作品から、武器講時代、萩打ち、信州小諸打ちと続き、江戸に戻ってからの清麿の最も充実した時代の作品、そして清麿最後の作品と言われる嘉永七年正月日の刀まで、二十五年間すべての時代の作品が年代順に展示されるので、作風の変遷もよくわかる。空前絶後の清麿展と言っても、過言ではない。
 また今回は、刀・脇指・短刀ばかりでなく、きわめて珍しい薙刀・槍・小刀も展示され、興味深い。
さらに、今回の展覧会の準備過程で、清麿に関する貴重な資料も数多く発見された。それらに関しては、図録に詳しい。図録では一振一振に丁寧な解説が加えられ、各作品の最も清麿らしい部分が拡大写真で紹介されており、参考になる。
 巡回展示により多くの方々に鑑賞の機会が開かれ、清麿の真価が広く理解されることが期待されている。(冥賀吉也)

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