刀剣界ニュース

「大刀剣市」見学記

愛刀家にとって待ちに待ったイベント、全国の刀剣商が集合し、展示即売する「大刀剣市」が十月二十五〜二十七日、東京美術倶楽部で開催された。今回は日刀保の全国大会とシンワアートのオークションが重なり、小生にとっては大変充実した三日間であった。
 
あいにくの台風接近とのことだったが、当方は二十六日、二十七日の両日、会場に足を運んだ。
 
普段なかなかお目にかかれないような名刀から、小遣いをやりくりすれば何とか購入できそうなものまでがずらりと並び、目移りがしてしょうがない。あれこれ物色していると、千葉と甲府の剣友から声をかけられる。
 
何かいいものあった?
 
今来たばかりだから、まだわからないよ。あそこの正宗、もう売れたらしいよ。なかなかいいものだから、狙っている人はいるんじゃない。そう言えば、長光の短刀も貞宗の刀もないよ。いずれにせよ、サラリーマンには無理だよね。宝くじでも当たったら考えようよ―などとたわいのない会話が続く。
 
当方は短刀の拵か打刀拵に合う金工鐔を探して各ブースへ。なかなか好みに合うものがない。
 
疲れたので食堂で一息入れていると、大阪と静岡の友人・知己より声がかかる。古刀のいい短刀があるから、見に行こうと。さすがに目玉の新藤五・保昌は結構の一語に尽きる。このような名品を手に取って拝見できるのがありがたい。
 
絵画などと違い、刀剣や刀装具、陶磁器などは手に取った感触が大事で、博物館でのウインドー越しではなかなかわからないのが困る。ただし、拝見時のマナーが大切で、作法を守って拝見することがぜひとも必要。
 
そこで提案があるのだが、大刀剣市で拝見するときのマナー講座を来場者に実地に見学してもらうのはどうだろうか。お手入れも含めて会場で実現すれば、初心者にもありがたいし、刀剣商にとってもいいと思いますが、いかがでしょう。ご検討ください。
 
そのほか、重文室の特別展も毎回テーマを持った展示で、勉強になった。ただし、もう少し初心者向けの一般的な解説が欲しい。例えば、沸出来と匂出来の違い、無地肌と肌物などを、現物展示で提示してもらうと、理解しやすいのでは。
 
女性ファンを増やす方法は何があるか?
 
これも重要な課題である。
 
現在の文化活動は、女性で成り立っていると言っても過言ではない。美術館、博物館、コンサートホールなど、ほとんど女性客でもっている状況を考えてほしい。例えば、女性入場料半額はいかが?
 
拵と装剣小道具のみの特別展示などはいかがでしょうか。
 
また、一昨年実施したチャリティーオークションは大変楽しかった(ただし、知らない人も多かったので、もう少し告知を)。毎年実施できませんか?
 
安い小道具からある程度いい物まで出れば、素人でも熱くなれると思うのですが、いかがでしょうか。ご検討ください。
 
当方のような団塊の世代は幼少時、チャンバラで育ちました。元々刀にはあこがれを持っており、いつかは持ってみたいと思っていました。ただし、ある程度経済力もないと、買えません。実業家や政治家に刀剣・小道具に趣味のある人も少なくはなく、こういった人々を取り込むことも必要かと考えます。
 
以上、勝手なことを書きましたが、刀剣界全体の課題はたくさんあり、やはり新規の初心者をいかにして取り込み、買っていただくかにつきると思います。来年も魅力ある商品をリーズナブルな価格で出品してくださるよう、切にお願いします。
 
最後に、探していた金覆輪のある金工鐔がこの大刀剣市で見つかり、無事打刀拵に収まり、刀掛けに飾ることができました。やはり大刀剣市のおかげです。ありがとうございました。
(東京都・平田泰雄)

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