刀剣界ニュース

「大刀剣市2014」がスタート

組合の通常総会の行われた五月十七日、「大刀剣市二〇一四」実行委員会がスタートしました。
 
主たる業務はカタログ作成と会場運営ですが、出店舗に新規、休場、退出があり、会場の確定作業に時間を要します。店舗ブースの広さが何種もあり、ガラスケースの大きさ、配置などにもさまざまなパターンがあります。利用料金も一律ではありません。
 
なるべく猛暑の七、八月の活動を避けるため、従前より早い準備開始となりそうです。
 
大刀剣市は、大手町の旧サンケイ会館での開催から二十四回を数えます。最初の開催は、サンケイビルの広い会議室を合体させたような、やや天井の低い会場でした。天井吹き抜けの本格的イベント会場、サンケイホールでの開催は第五回ぐらいからでした。ほどなくサンケイホール建て替えの件などがあり、現在の東京美術倶楽部開催が定着しました。
 
サンケイビルでのスタート時は二十数店舗でしたが、美術倶楽部開催のころは三十店舗を超えていたようです。もちろん三階ワンフロアでのスタートです。
 
その後、執行部・実行委員による出店要請(通称「肩叩き作戦」)が功を奏し、徐々に増え出しました。関東のみならず、関西・北海道・九州など遠方からの出店もあり、次第に全国刀剣商業協同組合主催にふさわしい陣容になりました。
 
当然スペースに限界があり、三・四階の二フロア開催に至ったわけです。
 
当時は現在とは逆で、三階に受付があり、四階は新作刀の展示と職方の実演のイベント、そして広い食堂、五店舗ほどの出店コーナーということで、ランチタイムとお宝鑑定のとき以外は静かでした。
 
そのような状況で、営業には不向きと思われたのか、なかなか四階への出店希望者が現れません。三階だけに店舗がひしめいていては、いかにも効率が悪いので、四階に出店誘導するために出店費を割安にし、また受付を四階に持っていきました。集客効果のあるオークションもここで開催しました。やがて効果がジワジワ現れ、昨今のように、三階・四階ともお客さまで賑わう状況になりました。
 
サンケイビルでは一度だけ、壁側の店舗以外は仕切りパネルをなくし、会場が一堂に見渡せるレイアウトを採用しました。初めてのお客さまには迷う心配がないようでしたし、開放感もありました。ただ壁面側ではなく、中央の島部分の店舗がガラスケースのみの展示スペースしか取れないため、その後は採用されていません。
 
方向感覚の良さだけは自負する私ですが、初めて行くデパートあるいは見本市会場などは、何がどうなっているのか皆目わかりません。そういうときは、ただひたすら、あちらこちらウロウロ、キョロキョロしていると、会場のおおよそのレイアウトが頭に自然と入ってきます。最初から見取り図を見ても、よくわかりません。ある程度把握してから会場図を見た方が、飲み込めます。
 
それにしても、近年の大刀剣市の混雑ぶりは、犯罪者にとっても隠れ蓑になります。刀剣市に限らず、展示会・即売会の催し会場は万引き・窃盗・スリの格好の標的で、実害なしとはいかないようです。
 
そのための盗難保険にも入っているのですが、主催者と保険会社の思惑にズレがあります。また、大刀剣市は他の展示即売会と異なり、けが人が出る確率が高いです。免責特約事項がいろいろある対物保険より、傷害保険を充実させるのも一考かなと思います。
 
原発事故や韓国客船沈没を見るにつけ、何があっても「想定外でした」とは言えないでしょうから。
(服部暁治)

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