刀装具

後藤法橋一乗 草花に虫図三所物 
刀装具 町彫 名品聚成所載品
Gotou Houkyo Ichijo

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tosougu No.42

後藤法橋一乗 草花に虫図三所物 刀装具 町彫 名品聚成所載品Gotou Houkyo Ichijo
    • NO.B133
    • 作者 : 後藤法橋一乗
    • Maker : Gotou Houkyo Ichijo
    • 江戸時代後期 18th Century
    • 価格:御売約 Sold Out
    • 「刀装具 町彫 名品聚成」「刀剣美術 第555号 刀装具の画題」ならびに「刀剣美術 第538号 刀装・刀装具初学講座」所載品
    • 平成18年、平成25年 尚友会 ならびに 刀剣博物館展覧会 出品作品
    • 玄栢箱書

幕末三名工の一人、後藤家最後の名工として名高い後藤一乗の作品。
後藤一乗は後藤家七郎右衛門家重乗の子として生まれ、9歳の時、八郎兵衛謙乗の養子となり、のち同家の家督を相続した。兄に是乗光熈、弟に久乗光覧がいる。はじめ光貨といい、ついで光行、さらに光代と名乗り、文政7年(1824年)34歳の時、光格天皇の御剣金具を製作した功により法橋の位を授かり一乗と号し、文久2年(1862年)には孝明天皇の御太刀金具を製作し法眼に叙せられた。多くの名品、門人を残し、2点が国の重要文化財に指定されている大名人である。明治9年86歳歿。
本作は一乗が生涯にわたって得意とした草花と虫の題材を用いて入念に制作された三所物で、画面いっぱいに朝顔、菊、沢瀉、菖蒲、水葵、河骨、菫などの多種多様な四季の花々を金、銀、赤銅、緋色銅を駆使して見事に彫り上げている。その素晴らしい超絶技巧はもとより、各部の構図で四季のうつろいや野花に舞う蝶や水辺に佇む蛍を用いて昼夜の静と動を対比して表現する、その卓越した構図の妙からは一乗という作家の非凡なる品格の高さを窺い知ることができる。銘文、体配から同作としては比較的若作と云われるが、さすが天才と言われる名人は若くしてその才覚を発揮していたものだと改めて感動させられる。刀剣博物館に加え当代最高峰の刀装具鑑賞会、尚友会に重ねて出品され、同会会長の箱書、書付にて「静韻絶妙」と賞賛され、福士繁雄氏により「刀剣美術 刀装・刀装具初学講座」ならび同著「刀装具 町彫 名品聚成」においても紹介され、「傑作」と評されるなど、当世の目利きが揃って絶賛した大名品である。

 

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