鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tosougu No.35
- NO.B138
- 作者 : 後藤法橋一乗
- Maker : Gotou Houkyo Ichijo
- 江戸時代後期 18th Century
- 価格:御売約 Sold Out
- 光村利藻 龍獅堂旧蔵品
幕末三名工の一人、後藤家最後の名工として名高い後藤一乗の作品。
後藤一乗は後藤家七郎右衛門家重乗の子として生まれ、9歳の時、八郎兵衛謙乗の養子となり、のち同家の家督を相続した。兄に是乗光熈、弟に久乗光覧がいる。はじめ光貨といい、ついで光行、さらに光代と名乗り、文政7年(1824年)34歳の時、法橋の位を授かり一乗と号し、文久2年(1862年)には孝明天皇の御太刀金具を製作し法眼に叙せられた。多くの名品、門人を残し、そのうち2点は国の重要文化財にも指定されている大名人である。明治9年86歳歿。
本作は表に一匹の蟷螂を高彫で大くあらわし、流水を銀、笹は金の色絵で、裏には金板地に数々の秋草を片切彫と毛彫で秋の気配を優雅に表現している。深く澄んだ極上の赤銅が美しく、保存状態も頗る良い一乗の本領が発揮された優品である。
※「小柄百選」並びに「鏨廼華」所載品