鑑定書内容：社団法人 日本甲冑武具研究保存会 甲種特別貴重資料
- No.D118
- 鉄黒漆塗三十二間厳星兜
- Tetsu kurourushi nuri 32ken Igahoshi Kabuto
- 銘 : 明珍大隈守紀宗介 宝永五年戌子歳二月吉日
- Sign : Myochin Munesuke A.D.1708
- 江戸時代中期
- 価格：御売約 Sold out
江戸時代、宝永五年（1708年）に制作された明珍宗介在銘年紀入りの鉄黒漆塗三十二間厳星兜で甲種特別貴重資料に認定された作品。
本作は32枚の鉄板を大きめの鋲で留めて兜鉢を成形しているが、小さな鋲留めの兜を小星兜と呼ぶのに対し、このように大きめの鋲で留めた兜を厳星兜と呼称している。作者の明珍宗介（1642年〜1725年）は江戸時代中期に武蔵国、江戸神田に住し、はじめ式部、後に大隈守を名のり、元禄から享保頃に活躍し、明珍家では古来高義、義通、信家の三人を三作と称して珍重するが、後の邦道、宗察、そして本作宗介を江戸時代の三作とし、特に宗介はその手腕をもって明珍家の名前を大いに高めたことから、同派中興の祖とも云われる名人である。非常に丁寧に制作され、形の整った優品であることに加え、銘文と年紀が添えられており、制作年が確かな事は甲冑武具研究における資料的にも大変貴重な優品である。
