鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tosougu No.35

- NO.B162
- 作者:後藤顕乗正継
- 銘文:顕乗作 光美(花押)
- Maker:Gotou Kenjo
- 時代:江戸時代 (1586-1663)
- 価格:御売約 Sold Out
- 龍獅堂 光村コレクション
後藤家七代目、顕乗作三所の重要刀装具指定作品。
顕乗は五代徳乗の次男で、天正十四年に生まれ、兄の栄乗が病死時、子の即乗が未だ年若なるによって宗家七代目を継承し、寛永四年に代を譲ると加賀の前田家に招聘され加賀後藤の礎を築いた。後藤家の中でも祐乗、光乗、顕乗の三人を後藤家三作の名人として称賛しており、特に加納夏雄は顕乗を後藤家中興の祖とし、武者彫刻においてその妙を極めると絶賛している。
本作は後藤家十五代光美によって七代顕乗の作と極められた孔雀羽根図の三所である。風にたなびく孔雀の羽根のみを優美に描いた本作は他に例を見ない奇抜な図案で、一見単調になりそうな図柄だが、各羽根の形態や配置をそれぞれ巧みに変化させて格調高くもモダンな作品に仕上げて見せた顕乗の技術とデザイン力は流石である。明治の日本最大コレクション「龍獅堂 光村コレクション」に加えられ伝来した優品である。