鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

- NO.B176
- 作者:林重光
- Maker:Hayashi Shigemitsu
- 時代:江戸時代 (17世紀)
- 価格:¥1,000,000
- 肥後金工大鑑所載品
江戸時代隆盛を誇った肥後国林派の二代目、林重光作大小鐔の特別保存刀装具指定作品。
重光は藤平と称し、林又七が五十四歳のときの子で、父の跡をついで細川家に仕え、元禄、享保頃に活躍した金工である。肥後金工録によれば寛政七年(1667)年に生まれ、延享元年(1744)七十八歳で亡くなっている。その作風は「肥後金工録」に「概ね初代の掟に依るといえども、却って雅趣あり」と述べられているとおり、又七に比べるとやや全体に優しい感じが見てとれ、そこがまた重光の持ち味である。
本作は古来肥後鐔の代表的図案として知られる武鑑透と称される作である。同図案は初代作の九曜桜文透(御紋透とも)重要文化財指定作などから始まり家紋の図案をやや変えつつも歴代が継承、制作している。掲出の鐔は大きく地透かし陰の透かしを用いて各種家紋を描いた図案の大小鐔で、肥後金工大鑑に所載され、藤井学氏旧蔵の同作極めの作中の優品である。なお本作の箱書は佐藤寒山氏によるものでそこでは小が初代林又七、大が二代林重光の手による親子合作の大小と極めている。