鑑定書内容:文部省 重要美術品 Agency for Cultural Affairs Art treasures
- 銘文:井上真改 延宝五年八月日
- Sign:Inoue Shinkai A.D.1677
- 種別:白鞘刀 Katana and Shirasaya
- 寸法:2尺2寸8分(69.1cm)反り1 .8cm 元幅3.0cm 先幅2.2cm 元重0.6cm
- 時代:江戸時代前期ー摂津国(大阪府)
- 価格:御売約済み Sold Out
新刀西の横綱と称され新刀最高位の評価を与えられる井上真改の重要美術品認定作品。
2代国貞、井上真改は初代和泉守国貞の次男で、初め父同様和泉守国貞と銘し、万治4年に朝廷より菊紋をきることを許され、寛文12年8月より真改と名を改めた。真改は父に勝る上手で、匂口の冴えた沸の美しさは新刀鍛冶中屈指であり、同国の津田越前守助広や新刀東の横綱、長曽祢乕徹と並びその技量を高く評価され、大阪正宗と称される程に至った。
本作は延宝5年、真改45歳時の作品で、身幅、切先とも尋常で、やや反りが付き、地鉄、小板目肌綺麗につみ、地沸微塵に厚くよくついている。刃文は彼の真骨頂ともいえる、匂口の深く、明るいのたれに、所々に強い沸がよくつき、金筋・砂流しを盛んに交え、帽子小丸に返るなどの作域を示している。井上真改の作品は2点が重要文化財に指定されており、うち一振りが本作と同じ延宝五年八月日で吉備津彦神社に奉納されている。同作は太刀銘で本作は刀銘であることから対となる作品と考えられる。流石に奉納を控えて制作された作品は最高級の素材を用いたようで、素晴らしい鉄味を示しており、まさに真改最高傑作の一振りである。