刀剣界ニュース

今後の刀剣業界を考える

若者の日本刀「離れ」

 最近、車離れを代表とする若者の「離れ」現象がテレビ・新聞などのメディアを通して報じられています。 「離れ」現象は刀剣業界も例外ではありません。刀剣界は年々愛好者の人口が減少し、業界の規模も縮小しが減少し、業界の規模も縮小しています。普及活動として、全国各地で日本刀の鑑賞会などが開催されていますが、そこに若者の姿はほとんどないのが現状と言えます。
鑑賞会という独特の雰囲気もそうですが、若者に限らず、一般の方がその場に入りづらいということが挙げられます。
 日本刀というものが古美術品として扱われていることを知らない、所持するには何か特別な免許が必要、と思っている人が大半だと思います。そんな状況で、鑑賞会などを開いても、若者も含め一般の方が来るわけもありません。

日本刀の魅力を若者に

 日本刀は世界に誇る日本文化とも言えます。日本人がその美しさと侍文化を忘れる一方、外国人がそのことを認識して収集するという皮肉なことが起きているのです。
愛好家だけを集めて鑑賞会などを開催するだけでは、真の普及活動とは言えないと思います。日本刀は見た目にはわかりづらく、一般の方では理解しがたい専門用語なども多数あります。だからこそ工夫を凝らし、一般の方々に気楽に日本刀を見て、触れて、理解してもらえる機会や場所をもっと提供していく必要があるのではないでしょうか。
 防犯上等いろいろな問題はあると思います。ですが、一人でも多くの方に間口を広げ、 「育成」ということにもう少し目を向け、日本刀の魅力を知ってもらうことが、今後の刀剣界の衰退を防ぐ手立ての一つとなるのではないでしょうか。
 先輩方が美術品として刀剣の歴史を築き上げ、何度か刀剣ブームが起こりました。ブームだけで終わらせるのではなく、今後、何世代にもわたって刀剣の魅力を伝えていくにはどうしたらよいか、若者や刀剣を知らない一般の方をどうこの業界に取り込んでいくか、真剣に考え、もっと努力していかなければいけない時が来たのではないでしょうか。

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