刀剣界ニュース

全刀商の活動 組合交換会のとある風景

組合交換会は十時開会となっていますが、実際には意外と朝早くからスタートしています。
 
遠方の組合員ほど会場近くの都心のホテルに宿泊しているのでしょうか。八時半過ぎには既に数人が会場に到着し、バッグから品物を出しています。
 
売り番は到着順ということで、九時過ぎには大半の参加組合員が集まり、たくさんの刀剣・鐔・甲冑などが旅館の配膳盆のようなものに並べ置かれて出品されます。スタートの十時直前には、畳敷きの床一面に高価な品物が所狭しと並びます。他店の品物と紛れないか、外部の人が見たら心配する光景でしょう。
 
この組合の基幹事業である交換会で、残念ながらまた不払い事故が発生したようですが、支払いを踏み倒す輩やからはいても、交換会場では決して品物が紛失しないのがこの業界の自慢です。
 
それゆえ、会場内を見知らぬ人がウロウロ歩いていると、とても気になります。服装が地味でもある意味、とても目立つ存在です。
 
そういうときは、すぐに仲間の組合員に「あの人知ってるかい。どちらの店の方?」と確認を取ります。大概の場合、どちらかの組合員の社員なのですが、本来は店主が同伴者を事前に市場運営委員に紹介し入場承諾をもらわなければなりません。交換会開催案内通知には、買い上げ限度額とともに「案内通知のない方の入場お断りします」と毎回明記されています。
 
交換会会場には会場係の人、宅急便などの運送屋さん、お弁当の配達人、銀行員、税理士、弁護士、ビルの管理の人など、組合員以外の人も出入りしています。運営委員は、自分の商売の合間には周りに、特に人の出入りには目を配る必要大いにありですね。
(服部暁治)

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