刀剣界ニュース

第七回刀職技術者研修会を開催

第七回となった刀職技術者研修会は公益財団法人日本刀文化振興協会と坂城町鉄の展示館の共催で、第五回新作日本刀・研磨・外装刀職技術展覧会「日本刀の匠たち」の展示期間中の八月二十二〜二十四日に、鉄の展示館内コミュニティーセンターと宮入鍛錬道場で全刀職にわたり実施しました。
 
展示と研修の両方を見られることもあり、長野県での開催にもかかわらず多くの方々にご来館いただきました。お客さまには、展示品の説明と各部門の研修の内容や技術的なことについて細かく説明することができ、刀職技能の継承と次世代の人材育成の大切さをご理解いただけたことと思います。
 
今年は研磨部門の研修生は少なかったものの、他の部門は初参加などがあり、それぞれ充実した研修内容となりました。
 
初日は、宮入刀匠のところで毎年実施している坂城町伝統産業の社会学習として、小学四年生の研修見学を受け入れました。子供たちは日本刀を怖がったりしません。率直な質問が飛び交い、砥石や道具に興味を示したり、「刀を作ってみたい」「弟子入りしたい」などと話す子がいたり、反応もさまざまです。純粋無垢な子供たちに、場内の空気も和みます。彼らの深層心理の中に、少しでも日本刀の良い印象が残ってくれればと願いたくなります。
 
そのほか、少女漫画「KATANA」の作者かまたきみこさんと角川書店の担当者の取材がありました。授賞式にもご出席いただき、日本刀や外装について現物で確認し、刀匠・研師・鞘師・柄巻師・白銀師らの仕事を子細に観察するなど、漫画創作上の研鑽を積んでおられました。
 
 
研修にはごく初心の方、自分の技術を少しでも高めたい方、趣味としてとらえている方などさまざまな立場で、ご参加いただいています。また、中堅の実力のある方が研修で力量を見せることにより、初歩の方々に良いお手本となったり、講師を含めて交流することで互いに刺激し合うなど、それがコンクールでの良い結果にも結びついています。
 
展覧会では出品受付、審査、展示作業、授賞式、展示品の手入れ、研修、撤収返却と、関係者が東京から毎月のように足を運びました。毎週末のイベントは宮入刀匠はじめ、その門弟と地元の方々で実施していただきました。今回は、公開研修と展覧会が同時に見られるという前例のない試みでしたが、遠路国内外より足を運ばれた皆さまには心より感謝申し上げます。
 
来年も同所においてほぼ同時期に開催が予定されていますが、より充実した展覧会と有意義な公開研修となりますよう、一層努力してまいります。
 (公益財団法人 日本刀文化振興協会)

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