刀剣界ニュース

全刀商の活動 組合機関紙『刀剣界』編集委員会

隔月で発行されているこの『刀剣界』新聞は、以前発行されていた『組合だより』に代わる新たな機関紙として、平成二十三年九月に発刊しました。
 
本紙は組合機関紙ではありますが、同時に刀剣界全体の情報紙を自任しています。そこで、組合活動や刀剣業界の出来事を広く掲載し、組合員、賛助会員、愛刀家や全国の美術館・博物館などにも現在無料で配布しています。
 
編集委員の構成は当初、「大刀剣市」のカタログ制作に携わる組合員の多くがスライドしてのスタートでしたが、常に斬新な多くの情報を発進しようと、エネルギッシュな若い組合員にも参加してもらいました。『刀剣界』編集委員会は、総務委員会の教育情報部会に所属する正規の組織です。
 
編集会議は毎月行われています。発行は奇数月ですが、完成すると間髪を入れず、次号の企画に取りかかります。持ち回りの担当委員(二名)を中心に全編集委員が集まって議論を重ね、中身と執筆者を決めます。号によって題字下の編集委員名に異同があるのは、たまたま編集作業に参加できない委員が出るためです。
 
理事長・副理事長・専務理事・常務理事ら組合執行部が常時出席するので、企画に付随して組合に関連のある案件が非公式に話し合われることもあります。
 
前回も、都道府県教育委員会で発行される銃砲刀剣類登録証の問題点が俎上に載りました。作成時の行政側のミスが少なくないため、名義の書き換えをしようと申請すると、現物の刀剣と原本や登録証の記載内容が一致しないケースが出てきます。すると、現所有者への名義書き換えができないばかりか、銃刀法違反として善意の申請人が取り締まり対象にさえなりかねないのです。
 
このような真剣な議論の中から、企画テーマが生まれることもしばしばです。登録問題は、いずれ特集で取り上げられるでしょう。
 
編集会議はほかに、校正を中心に二、三回行われています。
 
執筆を割り当てられた委員は、イベントや催事に出かけたり、対象を取材したりして記事にします。当初は書き慣れていなかった者も、最近では紙面構成に苦心するほど長文を書いており、組合機関紙制作を通して、編集員は否応なく鍛えられています。
 
個性ある文章で、時には読者のご指摘をいただくこともありますが、愛刀家の方々より「毎号楽しみにしています」との声を聞くことも多くなってきました。

 『刀剣界』は、組合員や賛助会員だけにとどまらず、日本刀に携わるすべての人々を対象に、等身大の姿を紹介しています。日本刀に対して、一般の方々に武器としての認識がいまだ根強くある中、刀剣という文化財に関わる趣旨やきっかけを刀職者や愛刀家の方々に語っていただき、刀剣類の持つ精神文化の奥深い魅力を伝えることができればと願っています。 『刀剣界』は第一号からすべて組合ホームページに掲載しています。いつでも誰でも見ることができますので、刀剣業界の出来事をバックナンバーでたどることも可能です。
 
一般の社会分野と比べて、決して注目度や話題性が多いわけではない刀剣業界です。一つでも多くの情報を定期的に平等に発進していければと、『刀剣界』編集委員は考えています。
 
私たち編集委員は、体裁を保つだけの機関紙とならぬよう自戒しています。組合員や賛助会員だけでなく、講読者の皆さん一人一人が編集委員であり特派員だとお考えいただきたいと思います。
 
みんなで作る業界新聞『刀剣界』への投稿をお待ちしています。
(嶋田伸夫)

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