刀剣界ニュース

刀剣商リレー訪問 濱崎 善弘さん お客さまの舵取り役で四十年

今回紹介しますのは、兵庫県尼崎市で店舗を構え、長く営業しておられる濱崎善弘(はまさき・よしひろ)さんです。
 
昭和十九年生まれで、古美術の世界に四十年以上携わっておられるとのこと。扱うのは刀剣・甲冑だけでなく、茶道具・書画・貨幣・骨董など、多岐にわたっています。
 
全国刀剣商業協同組合には百八十余名の会員がいますが、営業基盤を首都圏においている方が大半です。その経済規模に比し、組合員が少ないのが関西圏です。現在十名ほどのようです。大阪には当組合発足以前に、大阪府公安委員会認可の大阪美術刀剣業組合が創設されており、関西の刀屋さんたちが結束して活動していましたので、関連業者が少ないという理由だけではないようです。
 
その関西で濱崎さんは、博物館学芸員、大阪美術刀剣業組合理事など数々の公職をこなし、関東への出張も多い中、刀剣をはじめ古美術品の普及に尽力されています。
 
ふくよかな体型と温厚な雰囲気から、古美術業者というより、愛好家というイメージの濱崎さん。若いころは柔道を、近年は茶道や書道をたしなむ趣味人でもあります。ここでご本人のコメント―。 「私は古物商許可証を昭和四十一年に取得しました。そして十年後に兵庫県の一番東の尼崎で独立開業し、現在に至っています。地下を倉庫に、一・二階を店舗として、刀剣を主に、茶道具・焼き物・掛け軸などを扱っています。間もなく趣味の日を設けて、ちょっと目先を変えた店づくりもしていきたいと思っています。
 
自分がいつも思って、お客さまに言っていることがあります。古美術品はお金をかけて集めるものでなく、筋の通っているもの、自分自身の気持ちに合ったものを探すこと。私はお客さまがいいものを集めるための、舵取りの役目と思っています。」
 
濱崎さんのお嬢さんたちは二人とも、獣医さんであることを付け加えておきます。
(服部暁治)

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