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菊御作(菊紋)一 後鳥羽上皇 並びに古一文字
Kikugyosaku (Kiku Seal)Ichi Emperor work and Ko ichimonjin

鑑定書内容:文部省 重要美術品 Agency for Cultural Affairs Art treasures

菊御作(菊紋)一 後鳥羽上皇 並びに古一文字Kikugyosaku (Kiku Seal)Ichi Emperor work and Ko ichimonjin
  • 銘文:菊御作 (菊紋)一 
  • Sign:Kikugyosaku (Kiku Seal)Ichi
  • 種別:白鞘太刀 Tachi and Shirasaya
  • 寸法:2尺5寸5分(77.2cm)反り2.0cm 元幅2.7cm 先幅1.4cm 元重0.6cm
  • 時代:平安時代ー山城国(京都府)
  • 価格:御売約済み Sold Out

 平安時代、後鳥羽上皇自らの手によって鍛刀されたと伝わる名宝。
後鳥羽上皇は高倉天皇の第四子で治承四年(1180)に誕生せられ、土御門天皇、のち順徳、仲恭の三天皇の御代に院政を執られた。英名であらせられた後鳥羽院は刀剣に関しても御造詣が深かった事で広く知られており、月番を決めて全国から名工を召集し、作刀の御相手をなさしめたといい、この間自らも焼刃せられたものを菊作または菊御作と称している。菊作と言われる所以はハバキ元に16葉や24葉の菊花紋の毛彫りがあるからであり、ちなみに皇室で菊紋を用いるようになったのは後鳥羽院からである。その作風はその折を務めた鍛冶によって異なり、古一文字に類するもの、古青江風の物、ならびに粟田口の作風に近い物などがあり、概して焼落としが見られ、そこから水影風のたつものが多い。この太刀は延宝元年本阿弥光常代百五十貫の折紙が付せられており、上記の特色が顕著であり、一の字が残されているとおり、相手は古一文字の作者であろう、御物、島津家伝来品、松平家伝来品、林原所有品(共に重要文化財)等数点が残されているが「一」の字を添えられたものは他に例がない、まさに名刀である。
 本作は慶安4年、4代将軍徳川家綱の将軍宣下の儀が江戸城にて執り行われ、その謝使として、9月21日、酒井河内守忠清が高家の吉良若狭守義冬と共に上洛した折、忠清が本太刀を拝領し、帰還後、雅楽頭に任ぜられた。ながらく同家の伝家の宝刀として秘蔵されたこの太刀は、農林大臣、貴族院副議長も務め、明治の政界に大きく貢献した13代当主忠正の時、国の重要美術品に認定され、戦後、山内家に入り、同家の財宝を管理する東京、九段の遊就館にて保存されていた。平成に入り公益財団法人 日本美術刀剣保存協会の特別重要刀剣にも指定されている。

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