刀剣界ニュース

知れば知るほど興味湧く世界

はじめまして、藤田裕介と申します。あまり知っていただいていないと思いますので、この場を借りてご挨拶させていただきます。
 
私がこの業界に足を踏み入れたのは、今から七年ほど前になります。それまでは全く別の業界に属していたため、刀剣業界どころか、刀がいかなるものであるかすらも知らない正真正銘の〝ずぶの素人〞の状態で、この世界に飛び込んできました。
 
刀に加えて商いということも全く知らない赤子同然の状態で引っ張り出された交換会では、その迫力に恐怖すら覚えたものです。
 
今だから正直に話しますと、それでも三、四年も経験を積めばある程度のことは身に付くだろうとタカをくくっていました。が、とんでもない!
 
刀の世界は知れば知るほど奥が深く、いまだにほんの足の先が漬かった程度の知識しか得ていません。しかし、そんな奥の深い世界だからこそ、知れば知るほど興味が湧き、今では完全に刀の魅力に取りつかれてしまっている一人です。
 
そんな若輩者ですが、まだ数年ながら、刀剣の世界に身を置いて感じたことを記させてください。
 
この業界に携わるに当たり、当初は、いかにして刀剣商を生業としていけばよいのかを思案する毎日でした。この刀は果たしてどれほどの価値があるのだろう、ニーズはどれほどあるのだろう、と。しかし、そのようにして刀に触れていく時間が増えるにつれ、次第に今自分が刀に関わっていることは仕事のためだけでなく、ほかにも責務があるのではないのかと疑問を感じるようになってきました。
 
数百年前に作られた刀が今、自分の手元にある。偶然なのか必然なのかはわからないが、目の前にある刀は何十年、何百年と、さまざまな人にさまざまな思いで大事にされ、今日まで受け継がれてきた―そう考えると、これはどんなことがあっても現世で絶やしてはいけない、必ず後世に伝えていかなければならない、と考えるようになっていきました。
 
現在は経済の停滞、収集家の高齢化、少子化問題(実は私も一役買ってしまっているのですが…)と、この日本独自の伝統品の継承に対する危機的要因が至る所に顕在しています。
 
このような問題から刀を守るために、諸先輩方がさまざまな方面から尽力されているのを目の当たりにしていると、これからはわれわれ次の世代がそれをいかにして形にし、継承し、発展をさせていくかが課題かと思われます。
 
まだまだ経験の浅いゆえ、どのようにアプローチをしていくことが最善なのかは思案するところですが、刀に携わる一人として今後微力ながらも貢献していけるように、日々精進していきたいと考えている今日このごろです。

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