刀剣

一竿子粟田口忠綱 彫同作
Ikkanshi Awataguchi Tadatsuna Carving by Himself

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token

一竿子粟田口忠綱 彫同作Ikkanshi Awataguchi Tadatsuna Carving by Himself
  • No.872
  • 銘文:一竿子粟田口忠綱 彫同作
  • Sign:Ikkanshi Awataguchi Tadatsuna Carving by Himself
  • 種別:拵付脇差 Wakizashi and Mounting
  • 寸法:1尺4寸4分(43.6cm)反り 1.2cm 元幅 3.0cm 先幅 2.3cm 元重 0.6cm
  • 時代:江戸時代後期ー摂津国(大阪府)
  • 価格:¥8,800,000

江戸時代を代表する自身彫の名手として名高い刀工、一竿子忠綱の作品。
粟田口近江守忠綱は初代近江守忠綱の子で、後に二代目を継ぎ、一竿子と号した。彼の作風は、初期に於いては初代同様に焼き頭の良く揃った足の長い丁字乱れが多く、後には互の目乱れや濤瀾風の乱れ、さらには直刃なども焼いている。また刀身彫刻の名手として知られ、刀匠自身の手によって生み出されたそれは刀身その物に非常によく調和し、世上で高い人気を博している。
本作は小板目肌のよくつんだ鍛えに、地沸微塵に厚くつき、地景細かによく入り、刃文は得意の濤瀾乱れを焼き、匂深で小沸よくつき、大阪新刀らしい匂口の明るい華やかな出来口を表している。龍と爪付剣、梵字の刀身彫を表裏それぞれに施した入念作で、さすがに刀身自体の出来とよく調和して見事である。自身彫の作品には必ず刻まれるという「彫同作」銘を有する同作中の名品である。金梨地塗鞘脇差拵の蒔絵は宝尽図で鐺に「一光」の銘があり、加賀蒔絵、清瀬一光氏の手による作品とみられる。後藤石乗在銘の宝尽図三所物と調和して内外共に華やかな優品である。

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