- No.D123
- 銀泥塗富士山形貼懸兜
- Gindeinuri Fujisannari Harikake Kabuto
- 銘文 : 三浦公法作 昭和五十七年十月吉日 重代加藤敏三郎氏所持
- Sign : Miura Hiromichi saku A.D.1982
- 価格:¥3,300,000
現代甲冑師の名工、三浦公法氏により制作された銀泥塗富士山形貼懸兜。
三浦公法氏は現在僅かに存在する甲冑師の一人で、森田朝二郎(もりた ともじろう)氏に師事し、三十一歳の若さで日本甲冑武具研究保存会から推薦甲冑師の指定を受けた。全国の博物館などに奉納されている甲冑の修理や戦国当時の甲冑の完全復元制作などを手がけ、1975年には、英国王立武器博物館所蔵の徳川家康より国王ジェームズ1世に贈られた日本甲冑を修理。以後国内にとどまらず、世界を舞台に甲冑師として活躍。2008年に板橋区無形文化財に認定された現代の名甲冑師である。
本作は賤ヶ岳七本槍の一人として勇名を馳せた伊予国(愛媛県)20万石の大名、加藤左馬之助嘉明の用いた兜として古来有名で、現在は靖国神社に所蔵される銀泥塗富士山形貼懸兜の復元作品である。丸鉢に練革で富士山形を張懸け、銀泥を塗ったもので、後部には馬の毛で元取がつけられている。大変な大形であるため、さぞや重量のある兜と思って持ち上げた武士が意外な軽さに後ろにひっくり返ったというという逸話が残っている同作であるが、本作はどうか、是非自身の手で確かめて頂きたい。
作家略歴
1938年 愛知県豊橋市に生まれる
1975年 徳川家康が英国王ジェームズ1世に寄贈した甲冑(英国王立武器博物館所蔵)を修理
1979年 平安から江戸期に至る名品甲冑の復元品により個展開催
1985年 アメリカでの展覧会「日本の変り兜」の管理責任者として滞米
1986年 神奈川県寒川神社の依頼により伝武田信玄着用兜を復元製造
1989年 ユーロパリア’89日本祭の展覧会「変り兜と陣羽織」の管理責任者としてベルギーに滞在
1999年 (財)全日本剣道連盟の各大会 優勝トロフィーとして国宝の複製兜を制作
2006年 岩手県立博物館の依頼により南部家の甲冑を修復
2007年 独立行政法人国際交流基金の国際展覧会用として室町時代の甲冑・兜を復元製造
2008年 板橋区無形文化財に認定。