刀装具

林重光 雲出八ツ橋透図鐔
Hayashi Shigemitsu Tsuba
Design of Yatsuhashi with Cloud

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

林重光 雲出八ツ橋透図鐔Hayashi Shigemitsu TsubaDesign of Yatsuhashi with Cloud
  • NO.B214
  • 銘文:林重光
  • Sign:Hayashi Shigemitsu
  • 時代:江戸時代-肥後国(熊本県)
  • 法量:8.1cm,8.0cm,0.5cm
  • 価格:御売約 Sold Out

江戸時代隆盛を誇った肥後国林派の二代目、林重光の特別保存刀装具指定作品。
春日派(林)派は最も代表的な肥後金工として知られ、加藤清正に従って肥後に移住した初代又七により創始され、後に細川家の抱え工となり、正保四年(1647)以降春日村久末に住したことより春日派と称される。林家二代目重光は藤平と称し、林又七が五十四歳のときの子で、父の跡をついで細川家に仕え、元禄、享保頃に活躍した金工である。肥後金工録によれば寛政七年(1667)年に生まれ、初代又七が没した元禄一二年(1699)に林家二代目を相続し、細川家藩工として十五石五人扶持を支給され、延享元年(1744)七十八歳で亡くなっている。その作風は「肥後金工録」に「概ね初代の掟に依るといえども、却って雅趣あり」と述べられているとおり、又七に憧れた謹直な作品と、雅趣に富んだ即興的な作風の物も残されており、又七の作風を墨守するに留まらず、新たな作風に挑戦した様子が見てとれる。
本作は現存稀な林家二代重光在銘の作品である。同国では通常鐔に銘を入れる事はせず、特別な注文作にのみ銘を入れていたと云われており、又七、重光、藤八、歴代において在銘作は極めて少ない。焼き手がかかった鉄槌目地は豊潤な紫錆色を呈し、薄造りで僅かに中低に造り込まれ、陽透で現された杜若と八橋に施された毛彫もしっかりと残った健全で状態の良い優品である。焼き手の槌目地と特有な紫錆色、大振りかつ各耳小肉な造込と、同作の特徴を顕示しており基準となる作風を示した資料的価値の高い希少作である。

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