古刀

備前国長船住長光造 正安二年八月
Bizenkoku Osafune ju Nagamitsu tsukuru A.D.1300

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token

備前国長船住長光造 正安二年八月Bizenkoku Osafune ju Nagamitsu tsukuru A.D.1300
  • NO.850
  • 銘文:備前国長船住長光造 正安二年八月 
  • Sign:Bizenkoku Osafune ju Nagamitsu tsukuru A.D.1300
  • 種別:白鞘短刀  Tanto
  • 寸法:6寸5分(19.60cm)反り 内反り 元幅 1.8cm  元重 0.5cm
  • 時代:鎌倉時代ー備前国(岡山県)
  • 価格:御売約 Sold Out

鎌倉時代、日本刀史上最大の隆盛を誇った長船派2代目当主、長光の作品。
長光は長船派2代目を継いだ刀工で、初代光忠の子。優れた作品を数多く残し、名物「大般若」や「津田遠江」などをはじめ国宝6点、重要文化財28点などその多くが国の指定品になっている日本刀史上最高峰の名工である。長光の作品は太刀が多く残され、小太刀や短刀は非常に現存作が少なく希少であり、子の景光に多くの短刀が残されているのに対し、わずか数口が知られるのみである。年紀を添えたものは文永十一年(1274)を上限とし、嘉元二年(1304)までの30年間となっている。本作は小板目肌が微細によく積み、潤いに富み、澄み切った同作中でも傑出の美しい地鉄に匂口の締まった直刃を焼いた非常に出来の良い短刀で、長光の鍛刀技術の高さを十全に良く伝えている。九字長銘で「造」の字を用いる細鏨の暢達な銘は国宝指定を受ける同作の薙刀(佐野美術館蔵)と近似し、添えられた正安の年紀は同作研究上でも貴重な資料となる名品である。刀身に施された八幡大菩薩と三鈷柄剣の彫物と幾多の研磨を経てなお最上級の美しさを保つ地鉄からは所有者の深い信仰心と本作への愛着、そして長光の芯まで最高の素材を用いた妥協の無い作刀への拘りを感じる。

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