書籍

刀掛
Japanese Sword Rack

刀掛 Japanese Sword Rack
  • No.:C056 新刊発売
  • タイトル:刀掛 Japanese Sword Rack
  • 著者:伊藤 満
  • 発行:飯田高遠堂
  • 価格:25,000円+税
  • ※発送は佐川急便の代金引換となります。代金引換手数料300円+税と送料をご負担ください。

現在唯一無二と思われる刀掛の研究図録。
「武士の魂といわれ、武家の表道具である大切な刀剣を飾る刀掛は、大名家の格式や個性を表した格調高く豪華絢爛な物や、嫁入りの婚礼調度品、旅先への携帯用や茶道御家元の注文品など実に多種多様であり、その煌びやかさは各大名家がその個性と芸術性を表現するため贅を凝らして制作した甲冑武具にも引けを取らない優れた美術品であります。

国宝 尾張徳川家伝来 千代姫所用 徳川美術館蔵 金梨子地葵紋初音蒔絵三本掛刀掛

されど現代に至るまで体系的な研究や調査はほとんど行われず、その優れた芸術性はごく一部の愛好家に理解されるのみとなっておりました。

この素晴らしさを多くの人々に伝えたい、その想いで制作された本図録には全国の神社、博物館、所蔵者様の御協力を経て、秀吉所用、家康所用、徳川本家、尾張家、紀州家、水戸家、細川家、毛利家、黒田家、松浦家、島津家、前田家、井伊家、松井家、真田家、酒井家、安部家や有栖川宮家などの優れた伝来品を収録し、その美しさを余すところ無く伝えるため、可能な限り現地にて写真を撮影、株式会社サンニチ印刷様の御尽力により鮮やかに紙面に再現されています。

紀州徳川家伝来 徳川頼宣所用 藤田男爵家旧蔵 金梨子地葵紋蒔絵三本掛刀掛

現存するもので、伝来がわかる最も古いものは豊国神社や高台寺にある秀吉愛用の菊桐紋蒔絵刀掛で、豊国神社と同じタイプのものが徳川美術館にも所蔵されています。これは家康愛用のもので「駿府御分物帳」に陣中道具として記載されています。

豊臣秀吉所用 豊国神社蔵 蝋色塗菊桐紋蒔絵五本掛刀掛

また、絵画では上杉神社の上杉謙信像の太刀は刀掛のようなものに置かれていて、これが最も古い資料であると思われます。

これらの大名家伝来の作品を調査、比較検討し、形式、時代ごとに分類、掲載することで、刀掛の発生と変遷、用途、なによりその個性的ですぐれた芸術性を伝えられるよう勤めました。

毛利家伝来 毛利博物館蔵 桑水神図麻葉文様五本掛刀掛
備前池田家伝来 林原美術館蔵 白密陀箔絵花鳥風俗図日本掛刀掛細川家伝来 永青文庫蔵 紫檀吉祥文様図蒔絵小箪笥付三本掛刀掛

細川家伝来 永青文庫蔵 蝋色塗青貝微塵鶴亀図蒔絵二本掛刀掛

玄々斎好 駒沢利斎 中村宗哲 作 光村利藻旧蔵 蝋色塗源氏香蒔絵三本掛刀掛

当初著書の伊藤氏と100点集まれば上出来と計画していた本書は、調査を進めるうちに発見される名品の素晴らしさにドンドンと内容が膨れ上がり、全213点を紹介するに至ってしまいました。

素晴らしい刀掛の世界を御堪能いただいたのちには、久しく仕舞い込まれた刀掛を取り出して御刀をお掛けいただければ幸いです。

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