刀剣

繁慶
Hankei

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token

繁慶 Hankei
  • No.881
  • 銘文:繁慶 
  • Sign:Hankei
  • 種別:脇差 Wakizashi
  • 寸法:1尺4寸3分(43.3cm)反り0.4cm 元幅 2.9cm 先幅 2.3cm 元重0.6cm
  • 時代:江戸時代前期ー武蔵国(東京都)
  • 価格:¥4,400,000

江戸時代前期、武蔵国で活躍した野田繁慶の特別保存刀剣指定作品。
繁慶は三河の生まれで、野田善四郎清尭といい、元徳川家の鉄砲鍛冶であったが、元和二年家康没後、江戸に出て刀鍛冶に転じた。初代康継とほぼ時代を同じくし、江戸鍛冶の先駆者といえる。
その作風は彼独特の物で、鍛は異質の鉄を組合わせ、大板目に地景や金筋が目立って入る松皮肌となり、俗に「繁慶のひじき肌」といわれている。刃中の沸も深く、瀑布の飛沫が飛び散るごとくに覇気が溢れ、茎の筋違鑢を表裏逆にかけ、棟には檜垣鑢を加え、銘は彫銘であるなど、これら異風な所が見所であり、繁慶その人を示しているようである。
本作も上記の特徴を顕著に表した相州伝の傑作で、刃文、激しく沸付いた焼きの高い乱れ刃に金筋・砂流しが打ち寄せる波頭の如く幾重にも重なり、地鉄は地景をよく交え、地沸が厚く入った上質なひじき肌を呈しており、同作の魅力を十全に伝える名品である。

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