鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token
- NO.883
- 銘文:金象嵌銘(行光) 本阿弥光勇 花押
- Sign:Kinzouganmei (Yukimitsu) by Honami Kouyu (Seal)
- 種別: 白鞘刀 Katana and Shirasaya
- 寸法:2尺3寸6分(71.5cm)反り 1.3cm 元幅 3.1cm 先幅 2.3cm 元重0.8cm
- 時代:鎌倉時代ー相模国(神奈川県)
- 価格:御売約 Sold Out
相州行光の本阿弥光勇、金象嵌銘の特別保存刀剣指定作品。
行光は相州鍛冶の祖、新藤五国光の門人で正宗よりもやや先輩格とみられる。同作の在銘作は頗る希少で短刀に限られており、現在国宝1点、重要文化財4点が国の指定品となっている。
本作は本阿弥光勇が行光と極めて金象嵌を施し、徳川家より伊達家に利根姫輿入れの際に贈られたと伝わる作品である。本阿弥日州氏の鞘書に、「奥州伊達家伝来」と付されているが、伊達家の蔵品目録である剣槍秘録にはさらに仔細な伝来が書き残されている。すなわち享保20年(1735年)に忠山様(伊達家6代藩主宗村)が有徳院(徳川将軍家8代将軍吉宗)より雲松院(徳川吉宗の養女)の伊達家輿入れの際に下賜されたとあり、当時は後藤光寿作葵紋の三所物が添えられた拵に収まっていたという。大磨上ながらなお二尺三寸六分と長寸で、焼き高く、地刃健全な優品であることに加え、江戸時代における徳川将軍家と大名家との関わりの実態を示す歴史資料としても頗る貴重な名品である。